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就労支援

支援がうまくいかないと感じたときのチェックリスト

支援がうまくいかないと感じたときのチェックリスト

著者: フラカラ編集部

このコラムのまとめ

就労支援の手応えや達成感がなく、うまくいかないと感じている人も多いのではないでしょうか。支援が前に進まないと感じたときは、放置するのではなく原因を特定し、対策をとることが重要です。今回は、支援がうまくいかないと感じたときのチェックリストと、支援がうまくいかない理由や解決策を解説します。支援を行ううえで悩みや困りごとを抱えている人は、リストを確認して当てはまる項目があるかをチェックしてみてください。

支援がうまくいかないと感じたときのチェックリスト

就労支援がうまくいかないと感じたときには、まずはうまくいかない原因を特定することが重要です。以下に15のチェックリストを用意したので、当てはまる項目があるかをチェックしてみてください。

  • 目標が曖昧なまま進めている
  • 進捗の判断が感覚頼りになっている
  • 伝えたつもりで確認を省いている
  • 次回までの宿題を詰め込みすぎている
  • 支援の変更点が多すぎて何が効いたか分からなくなっている
  • 利用者の希望を取り違えているかもしれない
  • 利用者の頑張りに頼りすぎている
  • 記録が追いつかず振り返れない
  • 相談と共有が滞っている
  • 役割分担が曖昧で調整が空回りしている
  • 企業側の期待と現場の実態のすり合わせが不足している
  • 利用者の体調や生活リズムの変化を見落としている
  • 支援の範囲と対応時間の線引きが崩れている
  • 緊急時の対応ルートが曖昧で迷いが出ている

以下で、各項目を詳しく解説します。その項目に当てはまるとなぜ支援がうまくいかないのかと、解決策をセットで紹介しているので、当てはまるものを参考にしてください。

目標が曖昧なまま進めている

目標が曖昧なまま進めていると、支援の軸が定まりません。軸がブレていると何をもって前進とみなすかが決まらないため、職員は成果を確認できず、利用者も行動の優先順位がつけにくくなります。結果、支援が停滞している感覚が強まるのはよくあるケースです。

解決策は、目標を細分化して具体的に設定すること。目標は短期の小目標に分解し、週次で達成状況を数で確認します。面談の最後には次回の目標を提示して合意し、記録に残しておきましょう。達成できなかった場合は障壁を整理して手順や環境を調整し、目標を更新して軌道修正を図ってください。

進捗の判断が感覚頼りになっている

進捗の判断が感覚頼りになると、同じ出来事でも日によって評価が変わりやすくなります。感覚で判断してしまうと職員は手応えがある日とない日の差が大きくなり、利用者側も何をすれば成果が出るのかが分からなくなります。すると面談で振り返りをしても結論が曖昧になり、支援がうまくいかないと感じやすくなるでしょう。

解決策としては、進捗を数や行動ベースで見える化することが挙げられます。例えば、出勤日数・遅刻回数・応募数など、目標ごとに評価指標を1つ決めてみてください。評価は週単位で行い、前週比を確認すると成果が出ているか判断しやすくなります。評価の基準は関係者と共有して、統一するとブレがありません。

伝えたつもりで確認を省いている

伝えたつもりで確認を省くと、利用者がしっかりと理解したかどうかのチェックができません。理解不足のまま放置すると、次回の面談で話が振り出しに戻り、同じ説明を繰り返す負担が増えます。この状態が続くと、関係がぎくしゃくしたり支援が空回りしたりして、うまくいかない感覚が強まります。

利用者への説明は、要点を3つ以内に絞り、最後に自身の言葉で言い直してもらうのがおすすめです。また可能であれば次回までの行動は1つにし、手順を短いメモやチェック表にして持ち帰れる形にするとスムーズに支援が進む可能性が高まります。

次回までの宿題を詰め込みすぎている

次回までの宿題を詰め込みすぎると、利用者は何から手をつければいいか分からなくなり、着手できないまま時間が過ぎていきます。職員側も未達が続き焦りが増え、さらに課題を追加してしまいがちです。すると失敗体験が積み重なり、面談が反省中心になって前向きな手応えが出にくく、支援がうまくいかないと感じやすくなります。

解決策は、宿題を1つに絞って成功確率を上げることです。最優先の課題を選び、やるタイミング・場所・所要時間・最低限の達成ラインまで具体化します。難易度が高い場合は、準備だけ、問い合わせだけなど最初の一歩まで分解するとよいでしょう。

支援の変更点が多すぎてどの支援が効果をあげたのかわからない

支援の変更点が多すぎると、何が原因で何の支援が効果的だったのかが判別しにくく、成果や手応えを感じにくくなります。判断材料がそろわないまま次の手を打ってしまうと、さらに悪循環に陥ってしまうでしょう。また利用者も説明や約束が頻繁に変わると混乱しやすく、不信感を抱かせる原因になる可能性があります。

そのため、変更点がある場合は1つに絞りましょう。例えば今の困りごとを一文で定義し、原因を特定したうえで次の指標を決め、支援の変更は原因に関係する1点だけにします。変更日と内容、利用者の反応を記録し、週単位で前後比較すれば、変更した支援に効果があるかを的確に判断できますよ。

利用者の希望を取り違えているかもしれない

利用者の希望を取り違えると、支援の提案が的外れになりやすく、面談のたびに噛み合わない感覚が残ります。職員は良かれと思って動いているのに反応が薄く、利用者は話を聞いてもらえていないと感じてしまうでしょう。その状態が続くと信頼関係が薄まり、支援がうまくいかないと感じる場面が増えます。

利用者の希望をうまく汲み取るには、優先順位と条件まで確認して合意を作るのが大切です。例えば、最も困っていることは何か、何を変えたいかを具体的に聞きます。次に、いつまで・どの程度・どんな状態なら納得できるのかを確認すれば、利用者の希望をカバーしつつ、自然に支援目標に落とし込めるでしょう。

利用者の頑張りに頼りすぎている

利用者の頑張りに頼りすぎると、うまくいく日といかない日の差が大きくなり、支援が安定しません。職員もできたら支援の効果が現れている、できなければ努力が足りないという曖昧な判断基準に陥りがちで、利用者は努力しているのに結果が出ない体験を重ねてしまい、自己評価が下がって挑戦を避けやすくなります。

対策としては、利用者の頑張りをしっかりと評価したうえで、より行動しやすいような工夫を提示するのが上策です。例えば課題は最小単位まで分解し、1つずつ進めていくことで達成感が出やすいようにします。迷いが出る部分は見本やチェック例を用意すると、自己判断の負荷を下げられますよ。支援は二人三脚です。できないときは本人の意欲不足のせいにするのではなく、一緒に障壁がどこにあるかを探し出し、環境調整や支援手順の変更を検討してください。

記録が追いつかず振り返れない

記録が追いつかない状態では支援の効果が追えず、振り返りが印象論になりがちです。対応内容や利用者の反応の記録が曖昧になるため、次の打ち手が勘頼りになってしまいます。また担当変更時の引き継ぎもスムーズにできないケースが多くなることから、支援がうまくいかない感覚が強まるでしょう。

記録のコツは、型を決めて短く残すこと。長文は避け、起きた出来事・行った対応・利用者の反応・次に行う対応の順で端的に記入します。支援内容を変えた場合は、変更日と変更内容を必ず記録してください。また、当日中に要点だけでも残しておくのも有効です。記録が後手に回っても、曖昧な記憶に頼らずに済みますよ。共有が必要な内容も一文で要約し、伝えやすい形に整えると引き継ぎもスムーズに進みます。

相談と共有が滞っている

相談と共有が滞っている状態だと、支援者が1人で判断を抱え込みやすくなります。迷いや違和感が出ても確かめる相手がおらず、うまくいかない原因の切り分けが進みません。また担当変更や不在が起きたときは経過が伝わらず、説明のブレが出やすくなるのもネックです。

相談と共有は、日常の手順に組み込むのがおすすめ。相談の基準を決め、迷いが出た時点で短く共有できる仕組みを作るとよいでしょう。また週1回など定期的に短時間の打ち合わせ枠を用意するのも効果的です。

役割分担が曖昧で調整が空回りしている

役割分担が曖昧だと、同じ内容を複数の人が確認したり、逆に誰も対応しなかったりして支援が前に進みにくくなります。利用者への説明が人によって変わるケースも多く、混乱を招いてしまう可能性も。調整が空回りし本来不要な手間が増えるほど、支援がうまくいかないと感じやすくなります。

曖昧な役割分担を解消するには、誰が何を決め、誰が誰に伝え、誰が記録するかを明確にしましょう。役割が明確になれば、調整も自然と噛み合いやすくなり、支援が進む実感を得やすくなりますよ。個人レベルでは、自分の役割を再認識し、役割以外の業務や対応が負担になっていないかをチェックしてください。役割を超えていると判断したら、同僚や上司に調整できないか相談しましょう。

企業側の期待と現場の実態のすり合わせが不足している

企業側の期待と現場の実態のすり合わせが不足しているケースも、支援がうまくいかないと感じる場面です。職場で求められる基準と利用者が現状できることの差があると、トラブルが起きやすくなります。この状況では、職員は場当たり的なフォローに追われることが多くなり、利用者は注意や指摘が増えて自信を失い兼ねません。企業側も状況が見えないまま期待だけが先行し、配慮や支援の準備が滞ります。

円滑なすり合わせを行うためには、利用者ができていること・できていないこと・必要な支援を整理します。企業が求める基準も明確にし、利用者と企業間でどんなギャップがあるのかを導き出し、双方に共有すれば相互理解が深まるでしょう。

利用者の体調や生活リズムの変化を見落としている

利用者の体調や生活リズムの変化を見落とすと、通所や実習で問題が起こった際に原因が特定できず、支援が空回りしやすくなります。原因が不明のまま支援を進めていると職員は同じ助言を繰り返す負担が増え、利用者は責め立てられているような感覚に陥ってしまいがちです。

利用者の体調や生活リズムの変化を見落とさないためには、チェックリストを用意するのが効果的。例えば睡眠・起床時刻・疲労感はあるか・通院や服薬の変更・ストレスに感じていることはないかを手短に確認するだけで、隠れていた問題が表出することは少なくありません。不調の兆しが見えたら、目標や課題量を調整しましょう。

支援の範囲と対応時間の線引きが崩れている

支援の範囲と対応時間の線引きが崩れると、支援がいつでもどこでも対応する形になり、職員の負荷が一気に上昇します。連絡や例外対応が増えるほど、面談の準備や記録、関係者調整に時間が割けなくなり、支援の質が下がってしまうでしょう。利用者も依存が強まり、困ったときに自分で対処する経験が積みにくくなります。

支援の対応範囲と時間は、必ず明文化しておきましょう。連絡手段・返信の目安・対応できる時間帯などを決め、利用者との合意を図ってください。ただし、伝え方には注意が必要です。例えば個人の都合ではなく、支援のための運用ルールであると伝えれば、納得してもらえる可能性が高まります。

緊急時の対応ルートが曖昧で迷いが出ている

緊急時の対応ルートが曖昧だと、その場で判断が停止してしまい、初動が遅れやすくなります。誰に連絡するか、何を優先するかが決まっていないと、迷いながら対応する羽目になり、利用者も落ち着きません。

緊急時の対応ルートは、事前に固定しておきましょう。想定されるリスクの例を共有し、どの状態で誰に連絡するかを予め明確にしてください。迷いが減ると初動が安定し、職員・利用者双方の負担やリスクを軽減できます。

まとめ

今回は、支援がうまくいかないと感じたときのチェックリストと、支援がうまくいかない理由や解決策を解説しました。チェックリストに当てはまる項目があった人は、ぜひ解決策を試してみてください。