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就労移行支援で取れる資格一覧|人気ランキング・費用補助・事業所の選び方まで徹底解説

就労移行支援で取れる資格一覧|人気ランキング・費用補助・事業所の選び方まで徹底解説

著者: フラカラ編集部

このコラムのまとめ

就労移行支援事業所で取得できる資格を人気順に紹介。MOSやITパスポート、簿記など職種別のおすすめ資格から、受験料補助・個別カリキュラム・合格実績の見方まで、障害や難病のある方が自分に合う事業所を選び資格取得から就職までつなげるための実践ガイドです。

就労移行支援で取得できる人気資格ランキング【職種別に使える10種】

就労移行支援事業所では、一般就労を目指す訓練の一環として資格取得のサポートが受けられます。どの資格が「実際に内定につながっているか」という観点で、事業所の現場で支援実績が多い10資格を順に見ていきます。

1位:MOS(Microsoft Office Specialist)

事務職志望者の定番中の定番がMOSです。Word・Excel・PowerPointなど、国内企業の9割以上が業務で使うソフトの操作スキルを、マイクロソフト公認の形で証明できます。受験料は12,980円(一般価格)で、試験は1科目50分。合否はその場で分かります。

出典:

Excelの一般レベルを足がかりに、半年でWord・PowerPointまで3科目揃える方が多いです。3科目あると「Office全般を触れます」と履歴書に書けるので、事務求人で書類選考の通過率がかなり変わります。

就労支援スタッフ

2位:ITパスポート/基本情報技術者

IT系職種を狙うなら、まず経済産業省所管の国家資格であるITパスポートから。2023年度以降CBT方式で通年受験でき、受験料は7,500円。次のステップにあたる基本情報技術者は、セキュリティ人材不足を背景に企業評価が高く、IT業界への未経験転職で武器になります。

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3位:日商簿記検定

経理・会計のスタンダード資格。3級はネット試験方式(CBT)に対応し、受験料3,300円で随時受験が可能です。経理職だけでなく、営業や総務でも「数字を読める人材」として評価されやすく、事業所でも指導体制が整っている資格の一つです。

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4位:ビジネス実務法務検定

契約書の読み方、下請法、個人情報保護法など、どの職場でも必要になる法律リテラシーを体系的に学べる検定です。法務部門だけでなく、営業事務や総務の求人票で「歓迎スキル」として挙げられることが増えています。

5位:秘書検定

電話応対、来客対応、敬語、スケジュール管理といった社会人の基礎動作を、体系立ててトレーニングできます。ビジネスマナーに不安がある方が最初に取る資格として根強い人気があり、接客・受付・事務職との相性が良好です。

6位:TOEIC Listening & Reading

英語スコアを「数字」で見せられるのが強み。外資系の受付・事務補助や、海外取引のある中小企業で評価されます。730点以上でビジネス現場で通用する目安とされますが、事務職への応募なら600点台でも十分にアピール材料になります。

7位:介護職員初任者研修などの福祉系資格

福祉業界を志望する方向けの基礎資格です。初任者研修は130時間のカリキュラムが必要ですが、求人の絶対数が多く、資格取得と同時に就労先が見つかるケースも珍しくありません。ピアサポーター養成講座と組み合わせて、当事者経験を活かしたキャリアを築く方もいます。

8位:Webデザイン・クリエイティブ系

Webデザイン技能検定(国家資格)、Photoshop/Illustratorクリエイター能力認定試験など。在宅勤務との親和性が高く、対人接触のストレスを抑えて働きたい方の選択肢になります。就労移行支援の中にはIT・Web特化型事業所もあり、ポートフォリオ制作まで伴走してくれる場所を選ぶのがポイントです。

9位:医療事務系資格

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)や診療報酬請求事務能力認定試験など。クリニック・病院の受付・レセプト業務で活かせます。医療機関は障害者雇用の求人も一定数あり、安定志向の方から支持されています。

10位:FP・色彩検定・CADなど「個性を作る」資格

FP3級(金融・保険・不動産の基礎)、色彩検定(デザイン・販売職)、CADトレース技能審査(製造・設計職)など。本命資格のMOSや簿記にプラスして取ることで、応募できる求人レンジが広がります。

順位 資格名 受験料の目安 向いている職種
1位 MOS 12,980円 事務・一般職全般
2位 ITパスポート 7,500円 IT系・DX推進部門
3位 日商簿記3級 3,300円 経理・営業事務

就労移行支援で資格を取る5つのメリット|独学やスクールとの違い

同じ資格でも、独学・民間スクール・就労移行支援のどこで学ぶかによって、得られるものは大きく変わります。就労移行支援は「ただ資格を取る場所」ではなく、「資格を武器に就職を勝ち取るための場所」です。
まずは、離職期間を「戦略的な準備期間」へと書き換え、あなたの特性に合わせて無理なく合格を目指すための、特に重要な3つのメリットを確認しましょう。

就労移行支援で資格を取る3つのメリット

単に資格という「モノ」を手に入れるだけでなく、それを活かして「働き続けるための自信」を得ること。それこそが、就労移行支援で資格を目指す最大の価値です。
焦って独学で無理をする前に、まずはあなたのペースを尊重してくれる専門家の力を借りて、確実に合格と就職への切符を手にしていきましょう。

メリット①:就職活動で「空白期間」を強みに変えられる

療養のためにキャリアが途切れた期間を、どう面接で説明するか——これは多くの求職者が悩むポイントです。資格取得はその答えになります。「この半年で簿記3級とMOS2科目を取りました」と言えれば、空白は「準備期間」に書き換わります。

資格そのものより、「計画を立てて、継続して、合格まで到達した」というプロセスが面接官に刺さります。障害者雇用では再発リスクを気にされますが、自己管理して目標達成した実績は大きな安心材料になるんです。

就労支援カウンセラー

メリット②:受験料・教材費が大幅に軽くなる

MOS4科目を自費で揃えると、受験料だけで4万円超。市販テキストと模擬試験を加えると6〜7万円になります。事業所によっては受験料補助(月1万円上限など)や教材の無料貸出があり、実質負担を数千円〜1万円台まで抑えられるケースもあります。

メリット③:障害特性に合わせた個別指導が受けられる

独学との最大の差はここです。長時間集中が苦手ならポモドーロ形式で25分×3セット、活字が入りづらければ図解中心の教材、聴覚過敏があれば個室ブース——といった具合に、学び方自体をカスタマイズできます。精神保健福祉士・公認心理師などの専門職が在籍する事業所も増えています。

メリット④:合格体験が「働く自信」につながる

長く療養していると、「自分はもう何もできないのでは」という感覚に飲まれがちです。資格という区切りのある目標に向かい、合格という客観的な結果を得る——このサイクルが自己効力感を取り戻す近道になります。就労移行支援は、この回復プロセスを意図的に組み込んだプログラムとも言えます。

メリット⑤:同じ立場の仲間と学べる

同じ試験日を目指す仲間がいると、独学では続かなかった人でも学習が続きます。休憩時間の雑談で「昨日寝られなかった」「薬が合わない」といった話が気兼ねなくできる環境は、メンタル面の安定にも大きく寄与します。

資格取得サポートに強い就労移行支援事業所【エリア別】

資格取得の手厚さは事業所ごとに差が大きく、同じ「IT資格対応」でも教材のみの事業所と、現役エンジニアが常駐する事業所では得られる結果がまったく違います。代表的な特化型事業所を地域別に紹介します。

関東エリア

コンフィデンス日本橋(東京都中央区)

三越前駅から徒歩1分。個人カリキュラムを基本とし、ITパスポート・MOS・簿記など事務〜IT系を横断してサポートします。オフィスレイアウトを模した訓練スペースで、通勤・就業のリハーサルを兼ねて通えるのが特徴です。

就労移行ITスクール柏(千葉県柏市)

IT特化型。プログラミング未経験からでもITパスポート・基本情報技術者までステップアップできるカリキュラムを組んでおり、現役エンジニア経験者が講師を務めます。IT業界の障害者雇用ルートを具体的に描きたい方に向きます。

関西エリア

ぷらす守口(大阪府守口市)

精神疾患・発達障害のある方を主な対象とし、対応資格は100種類以上。受験料補助は月1万円を上限としており、離職中はもちろん休職中の方(リワーク目的)も利用できます。

最初はMOSを取るつもりで通い始めたのに、スタッフと話すうちに「医療事務の方が私の働き方に合う」と気付きました。資格の幅が広い事業所は、自分のキャリアを一緒に考え直してくれるのがありがたいです。

利用者の声

その他エリア

Be happinessとおり町(埼玉県川越市)

川越駅徒歩圏。日本情報処理検定協会の公式会場に認定されており、ワープロ検定・情報処理検定・プレゼンテーション検定などを事業所内で受験できます。訓練として作業をこなす中で工賃が支給される仕組みもあり、生活リズムを整えながら収入と資格の両方を得たい方に適しています。

事業所選びで失敗しないコツは、候補を3〜4か所に絞って必ず見学・体験に行くこと。ホームページの情報だけでは、スタッフの雰囲気や他の利用者との相性は判断できません。

就労移行支援で受けられる資格取得サポートの中身

「教材を貸してくれる」だけではありません。事業所で実際に提供されているサポートを、学習の流れに沿って5つに分解します。

① 学習環境・教材の整備

PC、Office環境、プログラミング学習用ソフト、市販テキスト、過去問題集の貸出——資格取得に必要な物理的環境は事業所側が揃えます。自宅で集中が続かない方、家族の目が気になる方にとって、「家の外に勉強する場所がある」こと自体が価値になります。

② 個別の学習計画と進捗管理

試験日から逆算して週単位・日単位の計画を立て、担当スタッフが週1回程度の面談で進捗を確認します。つまずいているポイント、体調の波、疲労度などを見ながら計画を柔軟に組み替えるため、「独学だと三日坊主で終わる」タイプの方ほど効果を実感しやすい仕組みです。

ADHDの特性でやることを絞れないのが悩みでしたが、スタッフが「今週はExcelの関数だけ」と範囲を切ってくれたおかげで進みました。わからない問題も席まで来て解説してもらえるので、独学の時とは定着スピードが違います。

就労移行支援事業所 利用者

③ 模擬試験と解答戦略のトレーニング

本番と同じ時間配分で模擬試験を実施し、解き順・捨て問の判断・見直しのタイミングまで指導します。特にCBT方式の資格は独学では対策しづらい領域なので、事業所でパソコン上の模試を繰り返せるのは大きな強みです。

④ 受験料・教材費の補助制度

全額補助・上限付き補助・合格時払い戻しなど、事業所によって設計はさまざま。月額1万円までを上限とする事業所が一つの相場感です。「何を、いくらまで、何回まで」補助してくれるかは、見学時に必ず書面で確認しておくと安心です。

⑤ 事業所内受験・試験免除プログラム

日本情報処理検定協会などの公認会場になっている事業所では、普段学んでいる環境そのままで受験できます。移動や会場の雰囲気で実力を出しきれないタイプの方には大きなアドバンテージです。また、一部の民間資格では規定のカリキュラム修了で資格認定される「試験免除型」もあり、試験不安が強い方の選択肢になります。

そもそも就労移行支援事業所とは?資格取得との関係を整理

ここまで読んで「自分が利用対象に当てはまるのか不安」という方のために、制度としての就労移行支援の基本を押さえておきます。

就労移行支援の基本

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのひとつで、一般企業への就職を目指す65歳未満の障害のある方が利用できます。利用期間は原則2年間。この期間中に職業スキル・生活リズム・対人スキル・資格などを整えて就職につなげるのが目的です。厚生労働省の集計では、就労移行支援を経て就職した方の職場定着率(就職後6か月時点)は全国平均で7割を超える水準で推移しています。

出典:

単なる資格予備校ではありません。体調管理、通勤練習、職場で起きがちなコミュニケーションのつまずき——こうした「働き続けるための土台」まで含めて支援するのが私たちの役割です。資格は、その土台の上に積む一枚のカードだと捉えてください。

就労支援専門員

資格取得支援の位置づけ

事業所のカリキュラムで資格取得が占める割合は、全体の2〜4割というのが一つの目安です。他にビジネスマナー、PC基礎、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、企業実習などがあり、資格はあくまで就職というゴールに向かう武器のひとつ。「資格を取ること自体が目的化しないようペース配分する」のも支援者の仕事です。

利用するための条件と手続き

利用要件は次の3つです。①身体・知的・精神のいずれかの障害者手帳を所持、または発達障害・難病等の診断があること、②一般企業での就労を希望していること、③原則65歳未満であること。手続きは、住まいの市区町村障害福祉窓口で「障害福祉サービス受給者証」を申請することから始まります。

利用料は前年の世帯所得に応じた自己負担上限月額制で、市町村民税非課税世帯は自己負担0円。実際に利用者の9割以上は無料で通所しています。

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資格取得に強い就労移行支援事業所の選び方【4つの視点】

「資格に強い」と名乗る事業所は多数ありますが、中身は玉石混交です。見学前にチェックしておきたい4つの視点を紹介します。

視点①:狙う資格の合格実績を数字で確認する

「MOSに対応」ではなく「直近1年でMOS○名合格、うちExcel Expert○名」と具体的な数字を出せる事業所かどうか。合格者ゼロの資格で指導を受けるのはリスクです。自分と似た障害特性の方の実績があるかも、可能であれば質問してみましょう。

視点②:指導スタッフのバックグラウンド

IT系を学びたいのに講師にエンジニア経験者が一人もいない、簿記を学びたいのに経理実務経験者がいない——こういうミスマッチは意外に多いです。どんな資格を、誰が、どの程度の頻度で指導してくれるのかまで踏み込んで聞いてください。

「この資格の指導ができる方は何名いますか」「直近で合格者が出た試験はいつですか」——この2つを聞いてみてください。答えが曖昧、あるいはパンフレットの言い回しをなぞるだけの事業所は、残念ながら実態が伴っていないことが多いです。

キャリアカウンセラー

視点③:費用補助の設計を書面で

補助対象の資格、上限額、年間回数、合格・不合格時の扱い——これらは口頭確認だけだと食い違いが起きやすい領域です。契約前に書面またはPDFで提示してもらえる事業所を選びましょう。

視点④:通えるかどうか(立地・雰囲気・開所時間)

どれだけ優れたプログラムでも、通えなければ意味がありません。自宅からのドアtoドアで片道45分を超えると継続が難しくなる、というのが現場の肌感覚です。開所時間が短時間利用(例:10時〜14時)に対応しているか、体調に波がある時期の欠席ルールなども確認しておきましょう。

候補は必ず2〜3か所を比較してから決めてください。「最初に見学した場所がなんとなく良かった」で決めると、後から不満が出やすくなります。

就労移行支援の資格取得に関するよくある質問

見学・面談の場で実際によく聞かれる質問と、その現実的な答えをまとめます。

Q. 2年間で何個の資格が取れますか?

難易度と体調安定度次第ですが、一つの目安は「MOSクラスなら2年で3〜5科目、基本情報技術者クラスなら1〜2個」です。就職活動で書類を通すには資格2〜3個あれば十分で、数を追うより「実務で使えるレベルまで仕上げる」方が内定に直結します。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?

事業所利用料は前述のとおり、多くの方が自己負担0円または9,300円/月以下です。加えて昼食代・交通費・教材費など実費がかかりますが、事業所によっては昼食無料、交通費補助、教材無料貸出を用意しているところもあります。

私が通った事業所は昼食支給ありで、MOSの受験料も全額事業所負担でした。手帳を取ったばかりで収入がない時期だったので、正直これがなければ通い続けられなかったと思います。

利用者の声

Q. 障害特性への配慮はどこまでしてもらえますか?

音が気になる方への個室ブース、視覚過敏への照明調整、文字が頭に入りにくい方への音声教材、対人疲労が強い方の曜日調整——配慮は広範囲に及びます。見学時に「自分のこれが苦手なんですが、どう対応できますか」とストレートに聞いてみると、その事業所の本当のキャパシティが見えます。

Q. 資格を取った後、就職活動はどう支援されますか?

求人紹介、履歴書・職務経歴書の添削、模擬面接、企業への障害特性の伝え方(ナビゲーションブック作成)、就職後の定着支援(職場訪問や面談)まで、原則として3年半(移行支援2年+定着支援3年+α)の長期でサポートが続きます。「就職して終わり」ではない点が、一般のスクールとの大きな違いです。

まとめ:資格は「手段」。就労移行支援を使って就職までつなげよう

就労移行支援での資格取得は、キャリアの空白を埋める武器になり、失いかけた自信を取り戻すリハビリになり、そして就職活動の通過率を実際に押し上げます。ただし、資格を取ること自体がゴールではありません。

合格通知を手にした日に「これで終わりじゃなくて、やっと履歴書の一行目が書けた」と言う利用者さんが多いです。資格は就労移行支援で得られる成果の一部。その先の就職、職場定着まで一緒に歩けるのが私たちの強みだと思っています。

就労支援専門員

合格実績・講師陣・費用補助・通いやすさの4つを見比べて、候補を2〜3か所に絞り、必ず見学してから決める——この手順を踏めば、資格取得から就職までを一本の線でつなぐ事業所に出会えるはずです。一歩目は、お住まいの自治体の障害福祉窓口への相談から始まります。