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障害者手帳の申請方法と取得の全手順|診断書の取り方・必要書類・等級の違いまで

障害者手帳の申請方法と取得の全手順|診断書の取り方・必要書類・等級の違いまで

著者: フラカラ編集部

このコラムのまとめ

障害者手帳には身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の3種類があり、申請先や必要書類が異なります。診断書の取得費用や指定医の探し方、申請から交付までの期間、等級ごとの支援内容、更新手続きの注意点まで、2026年時点の最新情報をもとにまとめました。

障害者手帳の3つの種類|自分に該当する手帳はどれか

「障害者手帳」と一口に言っても、対象となる障害の種類によって手帳そのものが異なります。申請窓口も判定方法も違うため、まずは自分がどの手帳に該当するのかを確認するところから始まります。

まずは障害福祉の基本となる3つの手帳について、その特徴と対象者を図で見ていきましょう。

3種類の障害者手帳特徴と対象まとめ

それぞれの名前や対象は異なりますが、これらはすべて、あなたがより自分らしく社会生活を送るための「サポートの入り口」です。ここからは、それぞれの判定基準や、手帳を持つことで具体的にどのようなメリットがあるのかを深掘りします。

身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の対象者

障害者手帳は、根拠法令や交付主体が異なる3つの制度で構成されています。

  • 身体障害者手帳:身体障害者福祉法に基づく手帳で、視覚・聴覚・肢体不自由のほか、心臓や腎臓、呼吸器、肝臓、ぼうこう・直腸・小腸の機能障害、HIVによる免疫機能障害が対象。都道府県知事(政令市・中核市の場合は市長)が交付する
  • 精神障害者保健福祉手帳:精神保健福祉法に基づく手帳で、統合失調症、うつ病・双極性障害(躁うつ病)などの気分障害、てんかん、薬物依存症、高次脳機能障害、発達障害(ASD・ADHD・LDなど)が対象。有効期限は2年間
  • 療育手帳:知的障害のある方が対象。法律上の根拠は厚生事務次官通知であり、自治体ごとに「愛の手帳」(東京都)、「愛護手帳」(名古屋市など)、「みどりの手帳」(さいたま市)と名称が異なる

身体障害と精神障害など、複数の障害をお持ちの方は、該当するそれぞれの手帳を同時に取得できます。手帳ごとに受けられるサービスが違うので、両方持っておくメリットは大きいです。

福祉担当者

等級の仕組みと判定基準

手帳にはそれぞれ障害の程度を示す「等級」があり、数字が小さいほど障害が重いと判定されます。等級によって税控除の額や利用できる福祉サービスの範囲が変わるため、申請前に仕組みを理解しておくことが大切です。

手帳の種類 等級区分 判定のポイント
身体障害者手帳 1級~6級 障害種別ごとに身体障害者障害程度等級表で判定。7級単独では交付されない
精神障害者保健福祉手帳 1級~3級 精神疾患の状態と日常生活・社会生活への制限度で総合判定
療育手帳 自治体により異なる 知能検査(IQ)と日常生活の適応行動を総合評価。A(重度)・B(その他)の2区分が基本だが、自治体によりA1・A2・B1・B2の4区分にする場合もある

手帳を持つことで使える支援制度の一覧

障害者手帳の取得後に利用できる支援は、経済面・就労面・生活面の3領域に大別されます。手帳の種類や等級によって適用範囲は異なりますが、代表的なものを挙げます。

  • 所得税の障害者控除(27万円、特別障害者は40万円)・住民税の控除
  • JR・私鉄・バスの運賃割引(第1種は本人と介護者が半額、第2種は本人のみ半額。片道100kmを超える区間)
  • 高速道路料金の50%割引(事前登録が必要)
  • NTTドコモ「ハーティ割引」、au「スマイルハート割引」、ソフトバンク「ハートフレンド割引」などの携帯電話料金割引
  • NHK放送受信料の全額免除または半額免除
  • 障害者雇用促進法に基づく障害者雇用枠での就労(2026年3月時点の法定雇用率は2.5%)
  • 自立支援医療(精神通院)・補装具費の支給・日常生活用具の給付
  • 映画館1,000円割引、美術館・博物館の入場料減免

こうした支援を受けるには、原則として手帳の取得が前提です。では実際に、手帳を取るかどうかの判断基準を見ていきましょう。

手帳を取るべきか迷ったときの判断基準

障害者手帳の取得には経済的なメリットがある一方、心理的なハードルを感じる方も少なくありません。「本当に必要なのか」と迷ったとき、どう考えればよいのでしょうか。

取得で得られる具体的なメリット

手帳を取得した方が口を揃えて「もっと早く申請すればよかった」と言うのが経済面の恩恵です。

  • 税負担の軽減:所得税で27万円(特別障害者は40万円)、住民税で26万円(特別障害者は30万円)の所得控除が受けられる。年収300万円の方なら年間数万円の節税効果がある
  • 障害者雇用枠の活用:一般枠より競争率が低いケースが多く、職場での合理的配慮(通院のための時短勤務、業務量の調整など)も法的に保障される
  • 医療費・生活費の負担軽減:自立支援医療による精神科通院の自己負担1割化、補装具費の支給、公共交通機関の割引など、月々の固定費が大きく下がる

精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、大手3キャリアの障害者向け割引プランに加入できます。基本料金だけでなく、各種オプション料金も割引されるので、月額で1,000円以上安くなるケースもありますよ。

携帯ショップ店員

取得前に知っておきたいデメリットと誤解

一方で、手帳の取得をためらう理由として以下のような声があります。

  • 「障害者」というラベルへの抵抗感:手帳を持っていることは職場や周囲に開示する義務はない。障害者雇用枠を使わない限り、採用時に申告を求められることもない
  • 診断書の費用と手間:診断書作成費は医療機関によって異なるが、おおむね5,000~10,000円。精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新でその都度費用がかかる
  • 「生命保険に入れなくなる」という誤解:手帳の取得そのものが生命保険の加入を阻むわけではない。告知義務は「現在の健康状態」についてであり、手帳の有無を直接問う商品は一般的ではない

「今は必要ない」と思っても検討すべきケース

手帳が必要かどうかは、現在の生活で困っていることの大きさと、手帳によって解消できることのバランスで判断します。

  1. 通院や薬代の自己負担が月1万円を超えている → 自立支援医療の適用で負担が3分の1に
  2. 就職・転職活動がうまくいかない → 障害者雇用枠という別ルートの選択肢が増える
  3. 日常の移動にタクシーや介助が必要 → 交通費の割引・補助でランニングコストが下がる

手帳は「取得したら返せない」ものではありません。状態が改善すれば返還できますし、更新しなければ自動的に失効します。

「手帳がなくても使える福祉サービス」も存在します。たとえば自立支援医療(精神通院)は手帳なしでも申請可能です。自治体の障害福祉窓口で、手帳の有無にかかわらず使える制度がないか、一度確認してみてください。

身体障害者手帳の申請手順と必要書類

身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に定められた障害がある方に交付されます。最大の特徴は「指定医」による診断書が必須であること。ここでは、窓口に行く前の準備から交付までの流れを順を追って説明します。

申請から交付までの5ステップ

  1. 窓口で書類を入手:住所地の市区町村の障害福祉課(名称は自治体により異なる)で、交付申請書と診断書の様式を受け取る
  2. 指定医を探す:診断書を書けるのは都道府県知事が指定した「身体障害者福祉法第15条指定医」のみ。かかりつけ医が指定医でなければ、障害福祉課で近隣の指定医リストを教えてもらう
  3. 指定医に診断書の作成を依頼:障害の部位に応じた検査を受け、「身体障害者診断書・意見書」を作成してもらう。費用は5,000~10,000円程度(医療機関により異なる)
  4. 必要書類を揃えて窓口に提出:申請書・診断書・顔写真・マイナンバー確認書類・本人確認書類を提出する
  5. 審査を経て手帳が交付:書類は都道府県の審査機関に送付され、等級が判定される。結果通知が届いたら窓口で手帳を受け取る

よくある失敗が「かかりつけ医に診断書を書いてもらったのに、指定医ではなかった」というケースです。せっかく費用を払って書いてもらっても、指定医でなければ申請には使えません。必ず最初に指定医かどうかを確認してください。

福祉事務所職員

提出書類のチェックリスト

  • 身体障害者手帳交付申請書(窓口で配布)
  • 身体障害者診断書・意見書(指定医が作成、作成日から3ヶ月以内のもの)
  • 顔写真1枚(縦4cm×横3cm、脱帽・上半身・1年以内に撮影したもの)
  • マイナンバーがわかる書類(マイナンバーカード、通知カードなど)
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  • 印鑑(認印可。自治体によっては不要な場合もある)

自治体によっては診断書作成費の助成制度を設けているところもあります。非課税世帯や生活保護受給者が対象になるケースが多いので、費用が気になる方は申請前に窓口で確認しておきましょう。

申請から交付までにかかる期間と注意点

通常、書類提出から手帳の交付までは1~2ヶ月程度です。ただし、障害の状態が判断しにくい場合や書類の補正が求められた場合は、3ヶ月以上かかることもあります。

押さえておきたいのは「障害の固定」という要件です。身体障害者手帳は、治療によってこれ以上の改善が見込めない「永続する障害」を対象とします。たとえば骨折の治療中でまだ回復途上にある場合、申請しても認定されない可能性があります。申請のタイミングは主治医と相談して決めるのがベストです。

精神障害者保健福祉手帳の申請手順と必要書類

精神障害者保健福祉手帳は、統合失調症やうつ病、双極性障害、発達障害、てんかん、高次脳機能障害などの精神疾患がある方を対象としています。身体障害者手帳との大きな違いは「初診日から6ヶ月」の待機要件と「2年ごとの更新」があることです。

2つの申請ルート|診断書か障害年金証書か

精神障害者保健福祉手帳には、申請の方法が2通りあります。

  1. 診断書による申請:主治医(精神科医)に「精神障害者保健福祉手帳用の診断書」を書いてもらう方法。初診日から6ヶ月以上経過した後に作成された診断書が必要
  2. 障害年金証書による申請:すでに精神障害を理由に障害年金(障害基礎年金または障害厚生年金)を受給している場合、年金証書のコピーと同意書で申請できる。この方法なら診断書が不要で、費用を抑えられる

「初診日から6ヶ月」を短いと思うか長いと思うかは人それぞれですが、この期間は症状の経過を見るために設けられています。初診日がいつだったかわからない場合は、最初にかかった医療機関に問い合わせてみてください。

精神保健福祉士

申請ルート別の必要書類

  • 診断書ルート:申請書、精神障害者保健福祉手帳用診断書(初診から6ヶ月以上経過後に作成)、顔写真(縦4cm×横3cm)、マイナンバー確認書類、本人確認書類
  • 障害年金証書ルート:申請書、障害年金証書の写し、直近の年金振込通知書または年金額改定通知書の写し、同意書、顔写真、マイナンバー確認書類、本人確認書類

等級の目安と交付までの期間

等級は1級から3級まであり、精神疾患そのものの重さだけでなく「日常生活や社会生活にどの程度の制限があるか」で総合的に判定されます。1級は「常時援助が必要な状態」、2級は「日常生活に著しい制限がある状態」、3級は「日常生活や社会生活に制限がある状態」がおおよその目安です。

申請から交付までは2ヶ月前後が一般的ですが、年度末や申請が集中する時期は3~4ヶ月かかることもあります。

有効期限は交付日から2年間です。更新の申請は有効期限の3ヶ月前から受け付けられますが、更新用の診断書を主治医に依頼する時間も含めると、期限の4~5ヶ月前には動き始めたいところです。更新を忘れて手帳が失効すると、割引や控除がすべて使えなくなります。スマートフォンのカレンダーに「更新開始日」のリマインダーを入れておくと安心です。

療育手帳の申請手順と判定の仕組み

療育手帳は、知的障害のある方の福祉サービス利用を支えるための手帳です。他の2つの手帳と違い、医師の診断書ではなく「判定機関での検査・面接」の結果で交付が決まる点が大きな特徴です。

申請から交付までの流れ|18歳未満と18歳以上で判定先が違う

療育手帳の申請手続きは自治体ごとに細かな違いがありますが、大まかな流れは共通しています。

  1. 住所地の市区町村の障害福祉窓口で申請方法を確認し、申請書を提出する
  2. 判定機関での検査・面接の日程を予約する
  3. 予約日に判定機関を訪問し、知能検査や面接を受ける(18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所が担当)
  4. 判定結果に基づき、等級が決定される
  5. 市区町村の窓口で手帳を受け取る

療育手帳の申請に、事前の医師の診断書は原則として必要ありません。ただし、18歳以上で初めて申請する場合は「18歳以前から知的障害があったこと」を示す資料——たとえば母子健康手帳、小中学校の通知表、過去の心理検査結果——を持参するよう求められることが多いです。

児童相談所職員

必要書類と判定で見られるポイント

  • 療育手帳交付申請書(窓口で配布)
  • 顔写真1枚(縦4cm×横3cm)
  • マイナンバーがわかる書類
  • 本人確認書類
  • 印鑑
  • 母子健康手帳や過去の検査記録など(18歳未満の場合は参考資料、18歳以上の場合は特に用意が推奨される)

判定では、WISC(ウィスク)やWAIS(ウェイス)などの標準化された知能検査が実施され、知能指数(IQ)が測定されます。しかしIQの数値だけで等級が決まるわけではなく、食事・着替え・金銭管理・対人関係などの「日常生活の適応行動」もあわせて総合的に評価されます。判定区分は自治体によって「A・B」の2区分や「A1・A2・B1・B2」の4区分など、バリエーションがあります。

申請から交付までは2ヶ月前後が目安ですが、判定機関の予約が混み合っている場合は3~4ヶ月待ちになることもあります。有効期限は自治体によって2年~5年とばらつきがあり、「次回判定年月日」が手帳に記載されるので、必ず確認しておきましょう。

手帳の更新手続きと等級変更の申請方法

障害者手帳は取得して終わりではなく、種類によっては定期的な更新が必要です。また、障害の状態が変わった場合は、有効期限内でも等級の変更を申請できます。

手帳の種類別・更新ルール

  • 身体障害者手帳:原則として更新不要で、一度交付されれば永続的に有効。ただし「再認定」の条件が付された場合は、指定された時期に再度診断書を提出する必要がある
  • 精神障害者保健福祉手帳:有効期限は2年間。期限の3ヶ月前から更新申請が可能。更新のたびに新しい診断書(または障害年金証書のコピー)が必要
  • 療育手帳:有効期限は自治体により2~5年。手帳に記載された「次回判定年月日」までに再判定を受ける

精神障害者保健福祉手帳は自動更新されません。有効期限が過ぎると手帳は失効し、税控除や割引サービスがすべて止まります。「まだ大丈夫」と思っているうちに期限が切れていた、というケースは珍しくないので、更新時期の管理は確実にしてください。

障害福祉課職員

障害の状態が変わったときの等級変更申請

障害が重くなった、あるいは軽くなったなど、状態に変化があった場合は、有効期限を待たずに等級変更の申請ができます。手順は以下の通りです。

  1. 市区町村の障害福祉窓口で等級変更(再交付)の申請書を入手する
  2. 新たな診断書を取得する(身体・精神の場合)、または再判定を受ける(療育の場合)
  3. 申請書と必要書類を窓口に提出する
  4. 審査の結果、新しい等級の手帳が交付される

更新・等級変更時の費用を抑える方法

更新や等級変更のたびに診断書費用が発生するのは、大きな負担です。費用を軽減するための方法をいくつか知っておきましょう。

まず、精神障害者保健福祉手帳の場合、障害年金を受給中であれば「年金証書による申請」を選べば診断書が不要になり、その分の費用がかかりません。また、住民税非課税世帯や生活保護受給中の方を対象に、診断書作成費の助成制度を設けている自治体もあります。助成の有無や金額は自治体によってまちまちなので、窓口で直接確認するのが確実です。

等級変更の申請は「上がる」場合だけでなく「下がる」場合にも対応しています。障害の程度が軽減して現在の等級に該当しなくなった場合、自治体から再認定を求められることもあります。状態が安定しているかどうかは主治医と定期的に確認しておきましょう。

診断書の取り方|申請の成否を左右する最重要書類

障害者手帳の申請で、書類上もっとも重みがあるのが医師の診断書です。この書類の記載内容によって等級が判定されるため、「どの医師に」「どう伝えて」書いてもらうかが申請結果を大きく左右します。

手帳の種類別・診断書のルール

  • 身体障害者手帳:都道府県知事指定の「15条指定医」のみが作成できる「身体障害者診断書・意見書」が必要。作成日から3ヶ月以内に申請しなければ無効になる
  • 精神障害者保健福祉手帳:精神科の主治医が作成する「精神障害者保健福祉手帳用診断書」が必要。初診日から6ヶ月以上経過した時点で作成されたものに限る
  • 療育手帳:原則として事前の医師の診断書は不要。判定機関(児童相談所・知的障害者更生相談所)での検査結果をもとに判定される

身体障害者手帳の診断書は「15条指定医」しか書けません。かかりつけ医が指定医でない場合、まず障害福祉課の窓口で指定医のリストをもらい、紹介状を書いてもらって受診する流れになります。紹介状を書いてもらうぶん二度手間にはなりますが、この手順を省略する方法はありません。

障害福祉課職員

医師に伝えるべきこと|「日常生活の困りごと」を具体的に

診断書の内容が実態より軽く書かれてしまうと、本来取得できるはずの等級が得られないことがあります。医師は診察室での様子しか見ていないため、自宅や職場での「困りごと」は自分の口から具体的に伝える必要があります。

たとえば肢体不自由であれば、「50メートル歩くと膝が痛んで休憩が必要」「ペットボトルのキャップを開けられない」といった場面ごとのエピソード。精神疾患であれば、「週に3日は布団から起き上がれない日がある」「スーパーのレジで順番を待てず買い物ができない」など、日常の制限を数字や状況で伝えると、医師も診断書に反映しやすくなります。

受診前に「困りごとメモ」を書き出して持参するのも有効な方法です。緊張して伝え忘れることを防げます。

診断書の有効期限は作成日から3ヶ月です。取得後に申請を先延ばしにすると期限切れになり、再度費用を払って書き直してもらう羽目になります。診断書を受け取ったら、その足で窓口に向かうくらいの気持ちで動きましょう。

よくある疑問と対処法

障害者手帳の申請にあたって、多くの方が気になる疑問をまとめました。

本人が窓口に行けない場合、代理申請はできる?

質問:入院中で外出が難しい状態です。家族が代わりに申請手続きをすることはできますか?

申請者の家族

代理申請は可能です。ご家族のほか、相談支援専門員や施設職員も代理人になれます。多くの自治体では委任状と代理人の本人確認書類が必要ですが、様式や条件は自治体ごとに異なるので、事前に窓口へ電話で確認しておくとスムーズです。

障害福祉課職員

3種類の手帳を同時に持てる?

身体障害と精神障害、あるいは知的障害と精神障害など、複数の障害がある場合は、該当する手帳をそれぞれ取得できます。「どれか1つしか持てない」というルールはありません。手帳ごとに使えるサービスの範囲が違うため、対象となる障害があるなら、それぞれ申請しておくほうが受けられる支援の幅は広がります。

申請が却下されたらどうすればいい?

申請が認定されなかった場合も、いくつかの打ち手があります。

  1. 却下理由を確認する:通知書に記載された理由を読み、何が不足していたのかを把握する
  2. 診断書の内容を見直して再申請する:日常生活の制限が十分に記載されていなかった場合、医師に改めて状況を伝え、より詳しい診断書を作成してもらう
  3. セカンドオピニオンを検討する:別の医師の見解を聞くことで、異なる観点からの診断書が得られる場合がある
  4. 障害者相談支援事業所に相談する:申請手続きの経験が豊富な相談員から、具体的なアドバイスを受けられる
  5. 審査請求を行う:行政不服審査法に基づき、却下通知を知った日の翌日から3ヶ月以内に審査請求が可能

一度の却下で「自分は該当しない」と決めつけず、理由を確認したうえで対応策を考えることが大切です。実際に、再申請で認定されたケースは少なくありません。

申請をスムーズに進めるための事前チェックリスト

最後に、手帳の種類を問わず共通する「申請前にやっておくべきこと」を整理します。

窓口に行く前に準備すること

  • 自分が該当する手帳の種類を確認する(判断がつかない場合は、障害福祉窓口で相談すれば案内してもらえる)
  • 市区町村の障害福祉窓口に連絡し、必要書類と診断書の様式を入手する
  • 身体障害者手帳の場合は「15条指定医」のリストをもらい、受診先を決める
  • 精神障害者保健福祉手帳の場合は「初診日から6ヶ月以上経過しているか」を確認する
  • 療育手帳の場合は、18歳以前の記録(母子健康手帳・通知表・過去の検査記録など)を探しておく
  • 顔写真(縦4cm×横3cm)を用意する
  • マイナンバーカードまたは通知カード、本人確認書類を手元に揃える

年度替わりの3~4月は窓口も判定機関も混雑します。書類の審査にも通常より時間がかかりがちなので、可能であれば時期をずらして申請するのも一つの手です。

市区町村窓口担当者

障害者手帳の申請手続きには、書類の準備や医療機関への相談など、いくつものステップがあります。すべてを一度にやろうとすると負担が大きくなるので、「今日は窓口で書類をもらうだけ」「今週中に医師に相談する」と小分けにして進めるのがコツです。一人で抱え込まず、窓口の担当者や相談支援専門員、ソーシャルワーカーなど、頼れる人を巻き込んでいきましょう。

出典: