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就労移行支援から一般就労へ|内定を掴む準備・事例・定着ノウハウ総まとめ

就労移行支援から一般就労へ|内定を掴む準備・事例・定着ノウハウ総まとめ

著者: フラカラ編集部

このコラムのまとめ

就労移行支援から一般就労へ進むには、事業所選び・自己理解・段階的なステップアップが欠かせません。障害特性に合う職種選定、職場実習の使い倒し方、就職後の定着支援まで、成功者の動きと公的データを踏まえ実務目線で解説します。

内定までの距離を縮める5つの準備ステップ

就労移行支援を使って一般就労に到達した人の動き方には、共通する「順序」があります。闇雲に訓練を重ねるのではなく、事業所選びから面接までを5段階で組み立てた人ほど、内定後の定着率も高い傾向が見えてきます。

ステップ1:事業所は「見学3件以上」が分かれ目

就労移行支援事業所は2024年時点で全国に3,000か所超あり、訓練プログラムも就職実績も事業所ごとに大きく違います。同じ「事務職向けコース」を掲げていても、Excelの関数練習で止まる事業所と、実際の請求書処理をロールプレイで回す事業所では、半年後の完成度が別物になります。最低3か所は見学・体験し、就職者数の内訳(正社員比率・業種)と、スタッフ1人あたりの利用者数を必ず確認してください。

出典:

「通いやすさ」で決めて後悔する方を毎年見ています。自宅から近いより、自分の訓練したい分野のカリキュラムが濃い事業所を選んだほうが結果的に短期間で就職につながります。見学時は在籍利用者の年齢層と、直近半年の就職先リストの開示を求めてみてください。

就労支援専門家

ステップ2:特性の棚卸しから職種を逆算する

自分の得意・不得意をふんわりとしか把握できていない状態で求人を探すと、応募段階で迷走します。WAIS-IV(知能検査)やVPI職業興味検査などを事業所で受け、「処理速度が遅めで作業記憶が高い」「対人より対物が向く」といった粒度まで言語化しておきましょう。障害特性と職務内容のミスマッチは、入社後3か月以内の離職理由でも上位に入ります。

障害種別 相性の出やすい職種例
自閉スペクトラム症(ASD) データ入力、プログラミング、検査・品質管理、図書館業務
ADHD 企画・編集、営業、デザイン、動きのある現場業務
うつ病・双極性障害 バックオフィス事務、経理補助、在宅でのライティング業務
統合失調症 清掃、軽作業、ルーチン中心の事務

ステップ3:ビジネス基礎とメタスキルを並行で鍛える

Word・Excelの操作や電話応対といった基礎訓練はどの事業所でも受けられますが、実務で差がつくのは「分からない時に誰にどう聞くか」「疲労をどのタイミングで上司に伝えるか」といったメタスキルです。毎日の振り返り日誌で、できなかった場面を行動レベルで書き出しておくと、面接の自己PR素材にもなります。

ステップ4:職場実習は「比較検討」の場として使う

職場実習を「採用の前段階」と捉えると動きが受け身になりがちですが、こちらが企業を見極める機会でもあります。実習先では、休憩の取りやすさ、上司との報連相の頻度、突発業務の量を記録しておくと、就職後のギャップが激減します。事業所によっては、就職前に2〜3社の実習を組んでくれるところもあります。

ステップ5:面接は「配慮の伝え方」で決まる

障害者雇用枠の面接で面接官が一番見ているのは、仕事の適性よりも「セルフマネジメントできるか」です。症状を羅列するのではなく、配慮事項を具体的な行動に翻訳して話せるかが分かれ目になります。

  • 「疲れやすいです」→「90分に1回、5分の休憩があれば集中を維持できます」
  • 「対人が苦手です」→「指示は口頭でなくチャットや書面でいただけると正確に処理できます」
  • 「音に敏感です」→「イヤーマフの着用許可をいただけると作業精度が保てます」

配慮事項を具体的な言葉に落とせている方は、入社後の定着率が明らかに高いです。逆に「ご配慮いただければ助かります」だけで終わる方は、現場でも配慮の要求がぼんやりしてしまい、結果的に周囲もサポートしきれなくなります。

人事採用担当者

この5ステップは順番にこなすものであり、同時進行では消化しきれません。支援員と月次で進捗を確認しながら、一段ずつ積み上げていきましょう。

就労形態別に見る実例と、動き方の違い

一般就労と一口に言っても、正社員・契約社員・在宅ワークでは必要な準備も就職後の生活も変わります。三つの形態で成果を出した人の事例から、それぞれの成功パターンを抽出します。

正社員内定:特性を「強み」に翻訳し切った例

以前の職場は口頭指示ばかりで、理解したつもりで動いてはミスを繰り返していました。就労移行支援では、指示を自分でテキスト化してから動く訓練を半年続けたんです。IT企業の面接ではその習慣を「仕様の取りこぼしを減らす癖」として話しました。ASDの診断は開示していますが、プログラマーの職場では逆に評価されています。

Bさん(20代男性・発達障害)

ここが分岐点になった:特性を欠点ではなく職務適性として言い換える訓練に時間をかけた点。実習で3社回り、口頭指示が少ない環境を自ら選んだ点。

契約社員スタート→正社員登用の例

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査では、精神障害者の就職時の雇用形態は有期契約が多く、定期的な見直しを経て正社員登用される流れも一般的です。いきなり正社員を狙うより、契約社員で実績を積んでから登用を目指すほうが、体調面でも現実的な場合があります。

出典:

双極性障害の診断後、いきなりフルタイムは怖かったので事務職の契約社員からスタートしました。週4日6時間勤務を1年続けたら、主治医の許可をもらって週5日に。2年目、業務効率化の提案が通って正社員になりました。焦らず段階を踏んだから続いた、と今でも思っています。

Dさん(40代女性・双極性障害)

在宅ワーク:対人負荷を回避した働き方

通勤や対面が大きな負担になる特性の方にとって、在宅・テレワーク求人は現実的な選択肢です。ただし、自己管理ができないまま在宅を選ぶと、孤立と業務滞留の二重苦になります。事業所の訓練で自宅を想定したタイムスケジュール管理、チャットでの報連相、オンラインMTGの発言練習を経験しておくと失敗が減ります。

  • 在宅で評価されるスキル(プログラミング、ライティング、デザイン、経理)の実務レベル習得
  • 朝の起床・昼休み・終業の時刻を固定するセルフ勤怠管理
  • チャット・Web会議ツールでの報連相テンプレート化
就労形態 向いている人の傾向
正社員 体調が安定しフルタイム可/昇給・賞与を重視
契約社員 段階的に勤務時間を増やしたい/実績から正社員を狙う
在宅ワーク 通勤・対面で消耗が激しい/感覚過敏がある

形態に優劣はなく、続けられるかどうかが全てです。支援員と一緒に、生活リズムと家計の両面から逆算して選びましょう。

現場の専門家と当事者が語る、定着のリアル

一般就労に移行してからの景色は、内定までのプロセスとはまったく違います。長く働き続けている人と、その人を支える専門家が共通して口にする「続けるための作法」をまとめます。

支援員が見てきた、続く人と辞めてしまう人の分岐点

1. 自己理解の粒度が細かい

続く方は「うつ病」と語らず、「朝の立ち上がりに2時間かかる」「週の後半に波が来る」と自分の状態を解像度高く説明されます。症状名より、生活リズムのクセを言語化できることが定着のベースです。

就労支援員A(支援歴12年)

2. 最初から飛ばさない

ブランクが長かった方ほど、内定が嬉しくて初月から全力で働こうとします。ここが最も危ない局面です。最初の1〜2か月は週3〜4日・短時間から始めて、3か月目以降で段階的に勤務量を増やすほうが、半年後の継続率が明らかに高くなります。

3. 困る前に相談する

「困ってから」相談しに来る方は、既に問題が積み上がった状態であることが多いです。月1の定期面談を入れておくと、小さな違和感のうちに調整できます。

人事担当者が採用面接で見ている二つのこと

障害者採用で採用・不採用を分けるのは、スキルより「自己理解」と「コミュニケーション」です。配慮を具体的に伝えられる方は、入社後も現場で適切にサポート要請ができるので、定着の見込みが立ちます。

大手企業人事部 障害者雇用担当

評価される資質 現場で見られる行動
自己管理 不調のサインを早めに察知し休憩・受診を判断/服薬・睡眠リズムの維持
報連相 進捗を定時に共有/判断に迷う業務を溜めずに聞きに行く
継続性 欠勤の予兆を事前に伝える/体調を立て直す工夫を持っている

5年続いた当事者の生活設計

私がうつ病で休職して以来、今の職場で5年働けている理由は「無理をしない」に尽きます。調子の悪い朝は通院日として有給を使い、できない業務は正直に伝える。最初は申し訳なさでいっぱいでしたが、結果的にそれが一番職場の信頼につながりました。

Fさん(30代女性・うつ病)

一般就労は到達点ではなく、生活を支える手段です。長く続けるほど、自分に合ったペースが見えてきます。

就職後を支える定着支援と合理的配慮の活用

内定が出た瞬間に支援が終わるわけではありません。就労移行支援には就職後も続くサポートがあり、障害者雇用促進法が定める合理的配慮も企業側の義務として機能しています。使える制度を漏れなく活用することが、長く働き続ける前提条件です。

就労定着支援サービスの正しい使い方

就労移行支援事業所は、利用者が一般就労した後も最低6か月間の定着支援を行う義務があります。さらに2018年4月に創設された「就労定着支援」サービスを使えば、最長3年間、月1回以上の面談と職場調整を受けられます。

出典:

定着支援は「困ったときの駆け込み寺」ではなく、予防接種のようなものと考えてください。就職後3か月は環境負荷が最大になるので、週1回の面談を入れておきます。小さな違和感を早期に言語化する訓練にもなります。

就労移行支援事業所 定着支援担当

合理的配慮の引き出し方

2024年4月に障害者差別解消法の改正が施行され、民間事業者に対しても合理的配慮の提供が義務化されました。配慮を求めることは「特別扱いのお願い」ではなく、法的に定められた対話のプロセスです。

出典:

  • 物理環境の調整:作業スペースの仕切り、照明の明度変更、イヤーマフの着用許可
  • 業務の組み方:業務手順のマニュアル化、チェックリスト導入、指示の文字化
  • 勤務の形:時差出勤、短時間勤務、通院日の確保、在宅勤務の併用

配慮を求める際は、「なぜそれが必要か(特性)」「代わりに何ができるか(強み)」をセットで伝えると話が通りやすくなります。

キャリアアップに向けた学び方

一般就労に定着した後、次の壁になるのが「キャリアの頭打ち」です。障害者雇用枠は業務範囲が限定されがちですが、社内異動・資格取得・副業などを組み合わせることで選択肢は広がります。

スキルアップの手段 得られるもの
業界資格の取得(簿記・MOS・基本情報技術者など) 評価制度で昇給・異動希望を通しやすくなる
オンライン学習(Udemy、Schoo、YouTube系) 自分の体調に合わせて学習ペースを組める
社内異動・ジョブローテーション 同じ会社内で適性のある業務を探せる

長期目線でキャリアを組むなら、3〜6か月ごとに小さな到達目標を設定し、支援員やキャリアカウンセラーと棚卸しする習慣をつけておくと失速しません。

就労移行支援とは何か:制度の基本と他サービスとの違い

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのひとつで、一般企業への就職を目指す65歳未満の障害・難病のある方が利用できます。似た制度との違いを理解すると、自分が使うべき窓口が見えてきます。

就労移行支援・A型・B型の使い分け

サービス 対象 目的・特徴
就労移行支援 一般就労を目指す65歳未満の障害者 訓練と就職活動支援(原則2年、賃金なし)
就労継続支援A型 一般就労が当面難しい方 雇用契約を結んで働く(最低賃金以上)
就労継続支援B型 雇用契約での就労が難しい方 生産活動の機会提供(工賃制)
就労定着支援 一般就労後6か月経過した方 最長3年の職場定着サポート

出典:

就労移行支援は福祉と雇用を橋渡しする制度です。一般就労を目指しつつ、いきなり就活に踏み出す体力がない方が、訓練と就職活動を並行して進めるための場として設計されています。

就労支援専門家

利用期間と自己負担額のリアル

利用期間は原則2年で、市区町村が必要と認めた場合に最長1年の延長が可能です。自己負担額は世帯の所得区分により決まり、生活保護世帯・市町村民税非課税世帯は0円。一般世帯でも月額負担の上限が設けられており、大半の利用者が0円で利用しています。

出典:

サービスで受けられる支援の中身

  • 職業評価と個別支援計画の作成
  • 生活リズム・通所習慣の確立
  • PCスキル(Word・Excel・チャットツール等)とビジネスマナー訓練
  • SST(ソーシャルスキルトレーニング)・グループワーク
  • 履歴書・職務経歴書の添削、模擬面接
  • 企業実習・職場見学の調整
  • 就職後の職場定着支援

「働きたいけれど、どこから手を付ければいいか分からない」という段階でも利用できます。まずは市区町村の障害福祉窓口か、気になる事業所に直接問い合わせるのが最短ルートです。

障害別に見る訓練の組み立て方

同じ就労移行支援を使っても、精神障害・発達障害・身体障害では取り組むテーマがまるで違います。自分の障害群で押さえるべきポイントを事前に把握しておくと、事業所選びも訓練内容もブレません。

精神障害:波との付き合い方が全て

うつ病・双極性障害・統合失調症のある方にとって、最大のテーマは症状の波をいかに仕事に組み込むかです。完全に波をなくそうとするより、「波が来た時の対処テンプレート」を持っておくほうが現実的です。

  • ストレス対処のレパートリーを増やす(深呼吸、散歩、頓服の判断など)
  • 睡眠・服薬・通院記録をアプリで見える化する
  • 通所日数は段階的に増やし、無理のない勤務モデルを体験する

精神障害のある方で続く人は「調子が良い日に飛ばさない」のが共通点です。波の山で頑張るほど、谷が深くなって出勤できなくなる。平均値を上げるより、谷の深さを浅く保つ発想に切り替えられるかが分岐点です。

精神保健福祉士

発達障害:特性を職務要件にハメ込む

ASD・ADHDのある方は、特性と職務要件のマッチングで成果が大きく変わります。ASDであれば手順が明確で突発対応の少ない業務、ADHDであれば動きと変化のある業務のほうが力を発揮しやすい傾向があります。

発達障害タイプ 相性の良い業務特性
ASD プログラミング、データ入力、品質検査、校正、図書・資料整理
ADHD 企画・編集、デザイン、営業、イベント運営、複数案件の同時進行

身体障害・難病:環境調整が生産性を決める

身体障害や難病のある方は、配慮の中身が業務成果に直結します。物理環境・支援機器・勤務形態の三点をどれだけ具体化できるかで、同じ業務でもパフォーマンスが変わります。

  • 支援機器(音声入力、拡大読書器、車椅子対応デスクなど)の活用訓練
  • 体力の使い方を学ぶ疲労マネジメントプログラム
  • 在宅勤務を前提としたコミュニケーション訓練

開示するか、しないか:判断の軸

障害を職場に開示するかどうかは、就職活動で必ず直面する問いです。開示する場合は症状名より、「どんな配慮があれば力を発揮できるか」を強みとセットで伝える。非開示(クローズ就労)を選ぶ場合は、配慮が受けられない代わりに自分の対処スキルだけで乗り切る覚悟が必要になります。支援員と一緒に、勤務候補先ごとに開示の是非を判断しましょう。

障害特性を「配慮が必要な弱点」ではなく「活かし方のある持ち味」として捉え直せるかどうかが、就労移行支援を使い切れるかの分水嶺になります。

就労移行率と定着率の最新データ

就労移行支援からどの程度の人が一般就労に進んでいるのか、数字で押さえておくと戦略が立てやすくなります。厚生労働省および障害者職業総合センターが公開しているデータをもとに、現在地を見ていきましょう。

就労移行支援利用者の移行状況

厚生労働省の社会福祉施設等調査等によれば、就労移行支援からの一般就労への移行率は年度を追うごとに上昇傾向にあります。ただし事業所間の格差が大きく、移行率0%の事業所が一定数残る一方で、30%を超える高実績事業所も存在します。事業所選びの時点で就職実績の開示を求めるのは、この格差を知っているかどうかで変わります。

出典:

就職後の定着率

障害者職業総合センターの調査によれば、障害者雇用で就職した人の1年後定着率は、全体で約6割前後。障害種別では身体障害者が比較的高く、精神障害者はやや低い傾向が出ています。就労定着支援サービスの導入以降、定着率は改善方向に動いていますが、就職後3〜6か月に離職が集中する傾向は変わりません。

出典:

就職後3〜6か月目は「ハネムーン明け」のタイミングです。入社直後の緊張感が薄れ、業務の量も求められる精度も上がる時期。ここを乗り切れるかどうかで、半年先の景色が決まります。定期面談を欠かさないことが一番の保険です。

就労定着支援員

成功率を押し上げる三つのレイヤー

  • 本人側:安定した通所実績、自己理解の粒度、生活リズムの固定
  • 事業所側:個別性の高い訓練、実習先ネットワーク、定着支援の密度
  • 企業側:障害理解のある管理職、柔軟な勤務形態、段階的な業務導入

どれか一つが欠けても成功率は落ちます。逆に、三つが噛み合った時の継続率は驚くほど高くなります。

利用開始から就職後までのタイムライン

就労移行支援は原則2年間のサービスで、時期ごとに取り組むテーマが変わります。全体像を把握しておくと「今は何を優先すべきか」で迷いません。
いきなり求人に応募するのではなく、まずは働くための体力を整え、次にスキルを磨き、最後に自分に合った企業を見つける。この「段階的な準備」こそが、入社後のミスマッチや早期離職を防ぐための最大の鍵となります。
まずは、就労移行支援で自立と定着を目指すための「3つのフェーズ」を整理しました。

就労移行支援の3つのフェーズ

いかがでしたでしょうか。
「働く」というゴールに向けて、今の自分がどの段階にいるのかを把握するだけで、日々の訓練や活動の目標がぐっと明確になるはずです。
ここからは、各フェーズで具体的にどのような取り組みを行い、ステップアップしていくのかを詳しく解説します。

1〜3か月目:土台作り

最初の3か月は生活リズムを整え、安定して通所できる体を作る時期です。訓練内容の習熟より、毎日同じ時間に起きて通所する継続性のほうが優先されます。

時期 通所ペース 重点テーマ
1か月目 週2〜3日 起床・通所リズムの固定
2か月目 週3〜4日 基礎訓練の開始、自己理解ワーク
3か月目 週4〜5日 フルタイム相当のリズムを経験

4〜6か月目:職業準備と体験

土台ができたら、職業スキルの強化と適性の見極めに入ります。PCスキル訓練、ビジネスマナー、SSTといった座学に加えて、短期の職場見学・体験実習で自分の現在地を確認します。

この時期は頭で考えるより現場で感じることが大切です。座学で「向いていそう」と思った職種も、実習3日でミスマッチに気付くケースが山ほどあります。事業所には積極的に見学のアレンジを頼んでください。

職業カウンセラー

7〜12か月目:本格的な就職活動

後半の半年は求人応募のフェーズに入ります。ハローワーク障害者窓口、障害者向け就職エージェント、事業所独自の求人ルートを併用するのが一般的です。

  • 応募条件の優先順位付け(勤務地・業務内容・給与・通勤時間)
  • 応募書類のカスタマイズ、企業研究
  • 模擬面接と振り返り
  • 内定承諾前の条件確認と入社日調整

就職後6か月:定着期の過ごし方

就職後最初の6か月は、職場環境への適応と業務習得が同時に走る負荷の高い時期です。事業所の定着支援を「月1回」から「最初の3か月は週1回」に増やすなど、自分の状態に合わせて頻度を調整しましょう。

まとめ:続けられる働き方を設計するために

就労移行支援は「就職をゴールにするサービス」ではなく、「働き続けられる形を設計するサービス」です。自分のペースを守り、支援員との信頼関係を育て、複数の経験から自分の傾向を読み取っていく。この繰り返しの先に、あなたにとって続けられる働き方が見えてきます。

一般就労=フルタイム正社員、という発想を外せるかどうかで支援の使い方が変わります。週30時間の契約社員でも、在宅の時短勤務でも、続けられていれば立派な一般就労です。大切なのは肩書きではなく、明日も働きに行ける体調と気持ちを保てるかどうか。

キャリアカウンセラー

障害者雇用枠の求人は年々広がり、在宅勤務やフレックス制を前提とした仕事も増えています。選択肢が広がった分、自分に合うものを見極める力が一層問われる時代になりました。

焦らず、比べず、自分の足取りで一段ずつ。就労移行支援は、その歩みに併走してくれる制度です。