双極性障害のある人の理想的な働き方と適職|症状別の対処法と支援制度を徹底解説
著者: フラカラ編集部
このコラムのまとめ
双極性障害があっても適切な職場環境選びと自己管理で安定した就労が可能です。本記事では、双極性障害の特性や仕事への影響、向いている・向いていない職場環境、症状別の対処法、活用できる支援制度・機関、合理的配慮の申請方法、就労成功事例などを解説し、自分らしく働くための具体的な方法を紹介しています。
双極性障害のある人に向いている仕事・職場環境
双極性障害があっても、適切な職場環境と働き方を選ぶことで、安定して長く働き続けることが可能です。ここでは、双極性障害のある方に特に向いている仕事や職場環境の特徴を解説します。
業務量や勤務時間が安定している職場
双極性障害の症状をコントロールするためには、生活リズムを整えることが非常に重要です。そのため、業務量や勤務時間に大きな変動がない仕事環境が適しています。
- 繁忙期と閑散期の差が小さい業種
- 残業が少なく定時で帰れる職場
- シフト制や夜勤がない仕事
自分のペースで働ける仕事
双極性障害では、気分や体調の波があるため、自分のペースで仕事を進められる環境が向いています。
- データ入力やプログラミングなどのIT関連業務
- 在宅ワークが可能な事務職
- 納期に余裕があり、計画的に進められる仕事
当事者の声
柔軟な働き方ができる環境
体調の波に合わせて働き方を調整できる柔軟性のある職場環境は、双極性障害のある方にとって大きなメリットとなります。
- フレックスタイム制を導入している企業
- テレワーク・リモートワークが可能な職場
- 通院のための休暇が取りやすい企業
「助けて」と言える安全基地があるか
双極性障害は、自分でも気づかないうちに調子の波が動いていることがあります。そんな時、独りで抱え込まずに済む仕組みがあることは、長く働くための命綱になります。
求人を見る際は、「制度としてあるか」だけでなく、口コミや面接での逆質問を通じて「実際に機能しているか(形骸化していないか)」を確認しましょう。
- メンタルヘルスへの本気度:「休職した人が復帰している実績」があるか(使い捨てにしない社風か)。
- 利害関係のない相談先:上司だけでなく、産業医や保健師など「評価を気にせず話せる第三者」に繋がれるルートがあるか。
- 心理的安全性:「調子が悪い」と伝えた時、精神論で返されず、話を聞いてくれる土壌があるか。
「隠さなくていい」という安心感(障害者雇用)
もし障害者手帳をお持ちなら、一般枠だけでなく「障害者雇用枠」も有力な選択肢に入れてみてください。
これはキャリアを諦めることではありません。「配慮という名の武器」を手に入れて、戦略的に働くための賢い選択です。「いつ病気がバレるか」と怯えるエネルギーを節約し、その分を仕事のパフォーマンスに注げるようになります。
双極性障害の方が仕事を選ぶ際には、これらの環境が整っているかどうかをチェックし、自分の特性や症状のパターンに合った職場を選ぶことが大切です。
適切な環境で働くことで、症状の安定と職場での活躍の両立が可能になります。
双極性障害と上手に付き合いながら働くためのコツ
双極性障害があっても、症状を適切に管理し工夫することで、安定して働き続けることができます。ここでは、双極性障害と上手に付き合いながら仕事を続けるための実践的なコツを紹介します。
医師・専門家との連携と適切な治療継続
双極性障害の症状コントロールにおいて最も重要なのは、適切な治療を継続することです。医師や専門家との連携を密にし、服薬や治療を自己判断で中断しないことが基本となります。
- 定期的な通院を欠かさない
- 処方された薬は指示通りに服用する
- 体調の変化は小さなことでも医師に報告する
生活リズムを整えるための工夫
双極性障害は生活リズムの乱れが症状を悪化させる大きな要因となります。特に睡眠のリズムを一定に保つことで、躁とうつの波を緩やかにすることができます。
カウンセラー
症状の変化に早く気づくためのセルフモニタリング
自分の症状の変化にいち早く気づき、悪化する前に対処するためのセルフモニタリングが重要です。日々の状態を記録し、変化のパターンを把握しておきましょう。
「告白」ではなく、自分の「取扱説明書」を渡す
職場へのカミングアウトは、勇気がいるものです。しかし、これを「弱みの告白」と捉える必要はありません。
「私はこういう時にエラーが出やすいですが、こうしてもらえると高パフォーマンスを出せます」という「攻略本(トリセツ)」を上司に渡す作業だと割り切りましょう。
「全部わかってほしい」と願うと重くなります。「午前中はエンジンがかかりにくい」「マルチタスクはパニックになりやすい」など、業務に直結するポイントに絞って伝えるのが、職場で理解を得るための賢い交渉術です。
「絶好調」な時こそ、意識的にブレーキを踏む
双極性障害の方が仕事で最も注意すべきなのは、落ち込んでいる時ではありません。「調子が良すぎて、いくらでも働ける気がする(軽躁状態)」時です。
この「万能感」は、後で必ずやってくる「うつ」への借金です。長く働くために、あえて以下のルールを自分に課してください。
- 「60点」で提出する勇気:調子が良い時は120点を目指しがちですが、あえて合格ラインギリギリで止めることで、エネルギーの浪費を防ぎます。
- 「疲れる前」に休む:「疲れた」と感じた時は、すでに脳がオーバーヒートしています。スマホのアラームを使い、1時間に1回は強制的にトイレ休憩を挟むなど、機械的に脳を冷やしましょう。
- 残業は「毒」だと思う:「まだやれる」は禁句です。定時退社は、明日の自分を守るための絶対的な業務命令だと考えてください。
双極性障害と上手に付き合いながら働くためには、自分の状態を客観的に把握し、無理せず適切なペースで仕事を進めることが大切です。治療を継続しながら、職場での理解を得て、自分に合った働き方を模索していくことで、長く安定して働き続けることができるでしょう。
症状別の対処法と働き方の調整
双極性障害は躁状態とうつ状態という対照的な症状が現れるため、それぞれの状態に応じた対処法と働き方の調整が必要です。ここでは、症状別の具体的な対応策を解説します。
躁状態の予兆を感じた時の対応
躁状態は本人が自覚しにくいですが、早期に兆候を捉えて対応することで、症状の悪化を防ぐことができます。
- 睡眠時間が短くなっても疲れを感じない
- 普段より話す量や速さが増える
- アイデアが次々と浮かび、何でもできると思える
当事者の声
うつ状態になった時の職場での対処法
うつ状態では気力の低下や集中力の減退などにより、仕事のパフォーマンスが落ちることがあります。
- 無理をせず、できる範囲の業務から取り組む
- 複雑な業務や重要な判断は、可能であれば延期する
- 休憩をこまめに取り入れ、リフレッシュする時間を確保する
休職が必要になった場合の手続きと準備
症状が重くなり、通常の業務調整では対応できない場合は、休職を検討することも大切です。
休職前の準備
- 主治医に相談し、休職の必要性について医学的な判断を仰ぐ
- 会社の休職制度や傷病手当金などの経済的支援について確認する
- 引継ぎ事項をまとめ、業務に支障が出ないよう準備する
双極性障害の症状は一人ひとり異なります。自分の症状のパターンを把握し、それぞれの状態に応じた対処法を身につけることで、仕事と病気の両立が可能になります。早期に対応することが症状の悪化を防ぎ、長く働き続けるための鍵となるでしょう。
双極性障害のある方が利用できる支援制度・サービス
双極性障害のある方が安定して働き続けるためには、様々な公的支援制度やサービスを活用することが有効です。ここでは、利用できる主な支援制度とその申請方法について解説します。
障害者手帳の取得と活用方法
双極性障害の方が利用できる障害者手帳は「精神障害者保健福祉手帳」です。この手帳を取得することで、様々な支援やサービスを受けることができます。
- 等級:1級(重度)〜3級(軽度)の3段階
- 有効期間:2年間(更新手続きが必要)
- 申請場所:お住まいの市区町村の障害福祉課など
精神保健福祉士
自立支援医療制度(精神通院医療)
精神疾患の治療のために通院する際の医療費負担を軽減する制度です。通院治療にかかる医療費の自己負担額が原則1割に軽減されます。
障害者雇用制度の利用
精神障害者保健福祉手帳を取得すると、障害者雇用制度を利用して就職することができます。障害者雇用枠で働くことで、自分の障害特性に合わせた環境調整や配慮を受けやすくなります。
障害年金
双極性障害により長期間働くことが困難な状態が続く場合、障害年金を受給できる可能性があります。障害の程度に応じて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
その他の支援制度
- 傷病手当金:会社員が病気で働けない場合に健康保険から支給される手当(最長1年6ヶ月)
- 心身障害者医療費助成制度:医療費の自己負担分を助成する制度
- 生活保護:収入が少なく生活が困難な場合に利用できる最後のセーフティネット
双極性障害のある方が安定して働き続けるためには、これらの支援制度やサービスを上手に活用することが大切です。
自分の症状や状況に合わせて必要な支援を受けることで、経済的・精神的な負担を軽減し、より良い生活と就労を実現していきましょう。
就職・転職に役立つ支援機関とその活用法
双極性障害のある方が就職・転職を考える際には、様々な専門支援機関を活用することで、より自分に合った職場を見つけやすくなります。ここでは、利用できる主な支援機関とその効果的な活用方法について解説します。
就労移行支援事業所の活用
就労移行支援事業所は、障害のある方が一般企業で働くための準備をサポートする福祉サービスです。双極性障害のある方にとって、就労に向けたスキルの獲得や体調管理の方法を学ぶ場として活用できます。
- 就労に必要なビジネスマナーやパソコンスキルの訓練
- 体調管理や服薬管理など自己管理能力の向上支援
- 就職活動のサポート(履歴書の書き方、面接対策など)
ハローワークの専門窓口
ハローワークには、障害のある方の就職をサポートする専門窓口「専門援助部門」が設置されています。障害者向けの求人情報が豊富なだけでなく、就職に関する様々なサポートを受けることができます。
利用者の声
地域障害者職業センターのサポート
地域障害者職業センターは、障害のある方の就職や職場適応を専門的に支援する機関です。特に双極性障害のある方にとって、リワーク支援は休職からの復帰を目指す際に非常に有効なプログラムです。
障害者就業・生活支援センターの利用
障害者就業・生活支援センターは、障害のある方の就労と生活の両面から一体的にサポートする支援機関です。体調管理や服薬管理といった生活面の支援が充実している点が特徴です。
障害者向け転職エージェントの活用
障害のある方の就職・転職に特化した転職エージェントも増えています。双極性障害のある方にとっては、自分の状態や必要な配慮について企業側に適切に伝えてもらえる点がメリットです。
就職・転職は人生の大きな転機です。様々な専門支援機関を上手に活用することで、双極性障害があっても自分らしく働ける職場を見つけることができます。
職場での合理的配慮の例と申請方法
双極性障害のある方が職場で安定して働き続けるためには、症状の特性に応じた「合理的配慮」を受けることが重要です。ここでは、双極性障害の方に有効な合理的配慮の具体例と、それを職場で申請する際のポイントについて解説します。
勤務時間・休憩に関する配慮
双極性障害の方にとって、規則正しい生活リズムを維持することは症状の安定に不可欠です。勤務時間や休憩に関する配慮は、体調管理の基盤となる重要な要素です。
- フレックスタイム制の適用で、体調に合わせた出勤時間の調整
- 通院のための休暇取得への配慮
- 在宅勤務やテレワークの許可
業務内容・量に関する配慮
双極性障害は症状の波によって作業効率や集中力が変動するため、業務内容や量についての配慮も必要です。
- 業務量の調整(体調に応じた業務量の増減)
- 複雑な業務を細分化し、段階的に進められるようにする
- 体調不良時の業務内容の変更や調整
双極性障害を持ちながら働いている方
「お願い」ではなく、成果を出すための「提案」にする
「配慮してほしい」と伝えることに、引け目を感じる必要はありません。
会社にとって最も困るのは、あなたが配慮を遠慮して潰れてしまうことです。合理的配慮の申し出は、単なる要望ではなく「私が御社で長く戦力として働くために、この環境が必要です」という前向きなビジネス提案だと捉え直しましょう。
- 「困っています」で止めない:
「電話が苦手です」だけでは相手も困ります。「電話対応を外してもらえれば、その分データ入力の速度を上げられます」と、代替案(解決策)とセットで伝えましょう。 - 会社側の「メリット」を提示する:
「配慮があればミスが減る」「業務効率が上がる」など、会社にとっても得があることを強調すると、承認されやすくなります。 - 口頭ではなく「書面」で渡す:
言った言わないのトラブルを防ぐため、「配慮事項依頼書」のようなメモを作って渡すのが鉄則です。上司もそのメモがあれば、さらに上の決裁者に説明しやすくなります。
合理的配慮は「特別扱い」ではなく、その人の能力を最大限に発揮するための「調整」です。双極性障害があっても、適切な配慮があれば能力を発揮して働けることを伝え、建設的な対話を通じて必要な配慮を実現していくことが大切です。
双極性障害のある人の就労成功事例
双極性障害があっても、適切な治療や職場環境の調整、自己管理の工夫などによって、安定して働き続けている方は大勢います。ここでは、実際に双極性障害と共に職業生活を送っている方々の成功事例を紹介します。
一般企業での就労事例
Aさん(30代・男性)|IT企業のプログラマー
Aさん
Aさんの成功ポイントは、フレックスタイム制の活用、週1回のリモートワーク、業務の締切に余裕を持たせてもらうなどの配慮を受けたことです。特に睡眠時間を最優先し、深夜の作業は避ける生活習慣を徹底しています。
障害者雇用での就労事例
Cさん(20代・男性)|金融機関のバックオフィス業務
Cさんは大学在学中に双極性障害Ⅰ型を発症し、就労移行支援事業所を利用して就職活動を行いました。現在は大手金融機関の障害者雇用枠でバックオフィス業務を担当しています。
- 就労移行支援事業所で双極性障害の特性や対処法を学んだ
- 時短勤務からスタートし、徐々に勤務時間を延ばした
- 障害者就業・生活支援センターの定着支援を活用
テレワーク・フリーランスでの働き方事例
Eさん(40代・男性)|フリーランスのWebライター
Eさんは会社員として働いていましたが、双極性障害の症状管理が難しく退職。その後、自分のペースで働けるフリーランスのWebライターとして独立しました。体調が良い時に集中して仕事を進め、調子が悪い時は休めるという柔軟性が大きなメリットだと言います。
成功事例に共通する「長く続くための勝ちパターン」
安定して働いている先輩たちには、ある共通点があります。それは、病気を根性でねじ伏せようとするのではなく、「自分の波(症状)をコントロールする仕組み」を持っていることです。
- 「治療」が仕事の一部:「忙しいから通院を飛ばす」ことは絶対にせず、服薬と睡眠を業務命令レベルで守っている。
- 「逃げ場」の確保:辛い時に駆け込める支援機関や、相談できる主治医という「命綱」を常に手元に置いている。
- 「環境」へのこだわり:給与の高さよりも、「休みのとりやすさ」や「残業の少なさ」を最優先にして職場を選んでいる。
成功とは、100点満点で働き続けることではありません。「調子が悪いなりに、大崩れせずにやり過ごせること」。この感覚を掴むことが、長期就労への一番の近道です。
症状の波と上手に付き合いながら、自分に合った働き方を見つけることが成功の鍵と言えるでしょう。
双極性障害とは?基本的な理解
双極性障害は、気分の高揚と落ち込みを繰り返す精神疾患です。かつては「躁うつ病」と呼ばれていましたが、現在は国際的に「双極性障害(Bipolar Disorder)」という名称が用いられています。ここでは、双極性障害の基本的な知識と特徴について解説します。
双極性障害の主な症状と特徴
双極性障害の最も特徴的な点は、以下の2つの状態が交互に現れることです。
躁状態(そうじょうたい)
- 気分の高揚と多幸感
- 活動性の増加(多動)
- 睡眠欲求の減少(少ない睡眠時間でも疲れを感じない)
- 思考や話し方が速くなる
- 判断力の低下(無謀な投資、浪費など)
精神科医
うつ状態
- 抑うつ気分(悲しみ、空虚感など)
- 興味や喜びの喪失(何をしても楽しくない)
- 疲労感、気力の低下
- 睡眠障害(不眠または過眠)
- 思考力・集中力の低下
双極性障害Ⅰ型とⅡ型の違い
双極性障害は、症状の重症度によって主に「Ⅰ型」と「Ⅱ型」に分類されます。Ⅰ型は完全な躁状態を経験し、日常生活に著しい支障をきたします。一方、Ⅱ型は軽度の躁状態(軽躁状態)とうつ状態を繰り返します。「Ⅱ型だから軽症」というわけではなく、うつ状態が長期化・重症化するケースも多いです。
「完治」を目指さず、「波乗り」の技術を磨く
双極性障害の治療において、最も難しいのは「調子が良い時に薬を飲み続けること」です。
気分が高揚していると「もう治った、薬なんていらない」と自己判断しがちですが、ここが運命の分かれ道です。薬(気分安定薬など)は、あなたの個性を消すものではなく、「気分の波による自滅」を防ぐための命綱だと捉えてください。
また、薬と同じくらい強力な治療法が「生活リズムの死守」です。
- 睡眠を削らない:徹夜は、躁状態へのスイッチを強制的に入れてしまいます。「夜12時には必ず布団に入る」ことだけは、業務命令レベルで守りましょう。
- 刺激を管理する:カフェインやアルコール、長時間のスマホなど、脳を興奮させる要素を意識的に遠ざけることが、再発防止の鍵になります。
双極性障害が仕事に与える影響:「信頼」がジェットコースターになる恐怖
双極性障害が仕事にもたらす最大のリスクは、能力そのものの低下ではなく「パフォーマンスの極端なムラ」です。
「あの人はすごい」と評価された翌月に、「急に来なくなった」と失望される。このジェットコースターのような激しい落差が、積み上げた職場での信頼を少しずつ削っていきます。
躁状態時の仕事への影響
躁状態では一見すると仕事のパフォーマンスが高まるように見えることもありますが、実際には様々な問題を引き起こすことがあります。
- キャパシティを超える仕事を引き受けてしまう
- 注意散漫になり、重要な詳細を見落とす
- 感情的になり、対人関係のトラブルが増加する
- 衝動的な判断や決断をしてしまう
当事者の声
うつ状態時の仕事への影響
うつ状態では活動性や意欲が低下し、職業生活に様々な支障をきたすことがあります。
- 朝起きることが困難で遅刻や欠勤が増える
- 集中力や判断力が低下し、業務効率が落ちる
- コミュニケーションを避け、職場で孤立しがちになる
- 自己評価が低下し、過度の自己批判に陥る
治療と仕事の両立の難しさ
双極性障害の治療を継続しながら仕事を続けることには、通院や服薬管理のための時間確保の難しさ、薬の副作用(眠気や集中力低下など)による業務への影響、職場の理解不足による配慮の欠如といった課題があります。
このような課題に対しては、適切な職場環境の選択や必要な配慮の申請、自己管理の工夫などによって対応することができます。
双極性障害があっても、自分の特性に合った環境と働き方を見つけることで、能力を発揮しながら長く働き続けることが可能です。
双極性障害のある人に向いていない仕事・職場環境
双極性障害と上手に付き合いながら働くためには、自分の症状や特性に合った職場環境を選ぶことが重要です。ここでは、双極性障害のある方が避けた方がよい可能性のある仕事や職場環境について解説します。
過度なストレスがかかる仕事
双極性障害は強いストレスによって症状が悪化することが知られています。特に高いプレッシャーがかかる営業職や、緊急対応が求められる救急医療などは注意が必要です。
精神科医
不規則な勤務形態の仕事
双極性障害の管理において、規則正しい生活リズムの維持は非常に重要です。特に睡眠リズムの乱れは症状悪化の大きな要因となります。
- 24時間体制の医療・介護職
- 深夜勤務のある工場勤務
- 早朝・深夜のシフトがある小売・サービス業
- 残業が日常的に発生する職場
締め切りや納期のプレッシャーが強い職場
短納期のプロジェクトが連続する制作・開発職や、繁忙期と閑散期の差が激しい業種は、生活リズムを乱し症状を悪化させるリスクがあります。
人間関係のストレスが大きい職場
過度に競争的な環境や、常に多くの人と折衝が必要な営業職などは、双極性障害の症状管理に悪影響を及ぼす可能性があります。特にうつ状態では社会的な交流が負担に感じられることが多くあります。
適切な環境選びと必要な配慮があれば、多くの職種で活躍することが可能です。「向いていない仕事」を知ることで、自分に合った環境を積極的に選ぶための参考としてください。
まとめ:双極性障害があっても自分らしく働くために
双極性障害があっても、適切な治療と自己管理、そして職場環境の調整によって、自分らしく働き続けることは十分に可能です。自分の特性を理解し、症状の波のパターンを把握することが第一歩となります。
「早く普通に働かなきゃ」と焦る気持ちがあるかもしれません。しかし、双極性障害との付き合いは長期戦です。まずは「何があっても薬と睡眠だけは守る」という覚悟を決めてください。
一人で完璧にこなそうとせず、職場には「取扱説明書(自己開示)」を渡し、周りを味方につけましょう。人の手を借りながら、転ばないペースで歩き続けることが、結果として「安定就労」への一番の近道になります。
キャリアカウンセラー





