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ヘルプマークとは?もらい方・対象者・付け方まで完全ガイド

ヘルプマークとは?もらい方・対象者・付け方まで完全ガイド

著者: フラカラ編集部

監修: 中村 啓吾

このコラムのまとめ

ヘルプマークは障害者手帳や診断書がなくても、配慮が必要だと感じた人なら誰でも無料でもらえます。自治体窓口や駅などでの入手方法、郵送・代理受け取り、かばんへの付け方、裏面シールの記載例、見かけたときの対応まで具体的にまとめました。

ヘルプマークとは

ヘルプマークは、赤い下地に白い十字とハートが描かれたストラップ型のタグです。街で見かけたことはあっても、意味までは知られていないことも少なくありません。まずは、何を伝えるためのものか、どう広がったのか、似た役割のマークとどう違うのかを整理します。

マークの意味とデザインに込められた由来

ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病のある方、妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている人が、周囲にそのことを知らせ、援助を得やすくなるように作られたマークです。体調が悪いときほど自分から説明する余力はなく、混乱した場面では言葉も出てきません。ヘルプマークは、その「説明できないとき」を肩代わりします。

デザインは、遠くからでも識別できることを重視した構成です。

  • 赤い下地…雑多な景色のなかでも視認されやすい色
  • 白い十字…援助や救護が必要な状態を示す記号
  • ハート…助けを必要としている人への思いやりを表す形
  • ストラップ型…相手から見える位置に掲げられる形状

電車で席を譲ってもらうためのものというイメージが先行しがちですが、外出先で倒れたときや事故に巻き込まれたときなど、緊急時に適切な対処を受けやすくなることも大きな役割です。

東京都発祥から全国共通マーク(JIS登録)になるまで

ヘルプマークは東京都が考案したものです。転機となったのが規格への登録で、平成29年7月20日に案内用図記号を定めるJIS Z8210が改正され、ヘルプマークが追加されました。これにより全国共通のマークとなり、自治体や企業も統一されたデザインで活用・啓発できるようになりました。

時期できごと
2012年10月東京都が作成し、都営地下鉄大江戸線で配布を開始
2013年7月都営地下鉄全線・都営バス・都電荒川線などへ拡大
2016年12月都立病院での配布を開始
2017年7月20日JIS Z8210に追加され全国共通マークに
2021年10月時点東京都以外の全道府県で導入済み

出典:

なお、JIS登録された7月20日は、令和7年度に「ヘルプマークの日」として定められました。

ヘルプカード・その他の支援マークとの違い

混同されやすいのが「ヘルプカード」です。財布などに入れて携帯し、必要な支援情報や緊急連絡先を細かく記載できるもので、常に見えるように身につけるヘルプマークとは使い方が異なります。併用すれば「まずマークで気づいてもらい、カードで詳しく伝える」という流れをつくれます。

マーク主な対象・意味
ヘルプマーク外見から分かりにくい援助・配慮が必要な人全般
ヘルプカード支援内容や緊急連絡先を詳しく伝えたいとき(携帯型)
ハート・プラスマーク心臓・呼吸機能・じん臓・膀胱・直腸・小腸・肝臓・免疫機能など身体内部に障害がある人
耳マーク聞こえが不自由であることを表し、配慮を求める
マタニティマーク妊娠していることを周囲に知らせる

ヘルプマークの特徴は、対象を特定の疾患や状態に限定していない点です。複数のマークを組み合わせて使っても問題ありません。

「どのマークを選べばいいか分からない」という相談をよくいただきます。まずは対象が広いヘルプマークから持ち、必要に応じて足していく形で十分です。

相談支援専門員

自分を守る!ヘルプマーク

ヘルプマークの対象者・配布基準

「自分は対象になるのだろうか」というためらいは、多くの人が感じるものです。実際には、対象者に病名や障害の有無、身体機能といった明確な基準や指定はありません。

対象となる障害・疾患・状態の具体例

ヘルプマークは、障害や疾患の種類による線引きがなく、援助や配慮を必要としているすべての人が対象です。実際の利用者の状態は幅広く、次のような例があります。

  • 義足や人工関節を使用している
  • 内部障害がある、がんや難病の治療を受けている
  • 視覚・聴覚・言語に障害がある
  • 知的障害、精神障害、発達障害がある
  • パニック発作やてんかん発作が起こることがある
  • 認知症がある/妊娠初期である

共通しているのは、外から見ただけでは困りごとが分からない点です。内部障害のある人は立ち続けることがつらくても健康そうに映りますし、発達障害のある人は駅の混乱に対応しづらくても、周囲からはただ立っているように見えます。

これらは例であり、当てはまらなくても配慮が必要だと感じる人は対象です。診断がついていない段階でも、体調の波が大きく外出に不安があるなら利用を検討して構いません。

障害者手帳や診断書がなくても対象になる?

原則として障害者手帳や診断書の提示は必要ありません。受け取りは本人の自己申告が基本で、病名を告げたり症状を証明したりすることも求められないのが一般的です。

よくある誤解が「障害者手帳を持っている人だけのもの」というものですが、手帳の有無は関係ありません。取得を検討中の人、申請中の人、手帳の対象にならない疾患の人も利用できます。

ただし自治体によって運用に幅があり、氏名や連絡先、必要な援助を記入する交付申請書の提出を求められる場合があります。これは支給の可否を審査するためというより、配布数の把握や郵送対応のための手続きとして設けられていることが多いものです。

「自分より大変な人が使うべきでは」とおっしゃる方がいますが、数に限りのある給付ではありません。必要だと感じたときが、受け取ってよいタイミングです。

相談支援専門員

妊娠初期・けが・術後など一時的な利用や、子どもの利用について

一時的に配慮が必要な状態でも利用できます。妊娠初期はおなかが目立たない一方、つわりや体調の変動で立っているのがつらいことがあります。骨折や手術後の回復期も同様です。この場合、体調が不安定な期間だけ使い、回復したら保管または窓口へ返却し、再び必要になったら使い始める、という形で問題ありません。

子どもの利用にも制限はありません。持病や障害のある子どもが通園バッグに付けるケースがあり、保護者など代理人の申し出でも配布を受けられます。迷子の際に、周囲の人が記載された緊急連絡先へ連絡してくれた例もあります。

一方で、家族や介助者など支援する側が身につけるためのものではありません。あくまで援助を必要としている本人が持つマークです。

ヘルプマークのもらい方・入手方法

配布場所や手続きは自治体ごとに異なります。窓口へ出向く方法のほか、郵送や代理受け取りという選択肢もあります。

もらえる場所(自治体窓口・保健福祉センター・駅・医療機関など)

配布の中心は、都道府県庁や市区町村役場の障害福祉担当窓口です。名称は福祉課、障害福祉課、福祉事務所などさまざまです。

種類具体例
行政の窓口役所の福祉課、障害福祉課、福祉事務所
保健・福祉施設保健所、保健センター、福祉センター、障害者相談支援センター
公共交通機関東京都では都営地下鉄の各駅や都営バス営業所。地方の私鉄は扱いがないことが多い
医療機関都立病院や一部病院の相談窓口。未対応の病院もある

地方では県庁や主要な市の窓口のみという場合もあります。東京都の配布は都内在住者が対象で、居住地の自治体で受け取るのが基本です。

申請に必要な持ち物・費用・申請書の有無

費用は無料で、配布数は1人につき1つまでが一般的です。前述のとおり手帳や診断書は原則不要で、窓口で口頭で申し出ればその場で受け取れます。ただし、交付申請書の記入を求められることがあるほか、念のため保険証などを持参すると手続きがスムーズです。かばんを使い分けたいなど事情があれば、複数個を相談できる場合もあります。

本人が行けないときの代理受け取り・郵送での取り寄せ

代理受け取りは多くの自治体で認められており、東京都でも本人または代理人の口頭による申し出で配布を受けられます。郵送に対応している場合の流れは次のとおりです。

  1. 自治体のホームページで郵送対応の可否と方法を確認する
  2. 申請書に氏名・住所・連絡先・必要個数などを記入する
  3. 切手を貼った返信用封筒を用意し、指定の宛先へ郵送する

郵送料は自己負担となる自治体が多く、東京都も同様の運用です。

お住まいの都道府県の配布状況を調べる手順

市区町村名と「ヘルプマーク」で検索し、情報がなければ都道府県のホームページで窓口一覧を確認します。それでも分からなければ、福祉担当課へ電話して配布場所・申請書の要否・郵送可否・受付時間をまとめて聞くのが確実です。東京都は全国の普及状況も公表しています。

「どこに行けばいいか分からない」というお電話は珍しくありません。最寄りの配布場所や郵送の可否をご案内できますので、遠慮なくご連絡ください。

自治体福祉課職員

市販品や自作を使ってよいか、その際の注意点

急ぎのときや災害時は、公式に公開されている画像を印刷して使うことが認められています。ただし縦横の比率や色を変更してはいけません。通販の非公式品もデザインが同一なら使用に問題はありませんが、無料配布されているため購入の必要はありません。なお、本体をフリマサイトで売買することは控えるよう東京都が呼びかけており、ヘルプマークに関する寄付活動にも都は関与していません。

ヘルプマークの付け方・身に着け方

ヘルプマークは、周囲の目に入って初めて役割を果たします。合成樹脂などでできた本体にストラップが付いており、かばんの取っ手などに下げて使う設計です。

かばん・リュック・ベルトへの基本の取り付け方

付属のストラップを持ち手やファスナーの引き手に通して固定するだけで、特別な道具は要りません。取り付け先として選ばれることが多いのは次の場所です。

  • トートバッグなど…持ち手の付け根。手で持っても肩にかけても位置が安定する
  • リュック…肩ベルトの胸元あたり。背面は自分で確認できない
  • 杖・歩行器…グリップの下や支柱。手元で揺れすぎない位置に
  • 車椅子…背もたれの側面やアームレスト付近
  • ベビーカー…ハンドルやフレーム部分

ストラップの根元がねじれているとマークが横や裏を向いてしまうため、取り付け時に確認してください。ファスナーに付ける場合は、使わない側の引き手を選ぶと安定します。シールやステッカータイプを配布している自治体もあり、ストラップを下げにくいものに貼って使えます。

相手に気づいてもらいやすい位置と、服装・季節別の工夫

ポイントは、相手の目線の高さに近く、体の正面または側面にあることです。座っている人から見て腰から胸のあたりだと視界に入りやすく、かばんの底や背中側だとほとんど見えません。

場面起こりやすいこと工夫の例
冬・厚手のコート裾やマフラーに隠れる肩ベルト上部など外側に出る位置へ
夏・小さめのバッグ体の後ろに回りやすい前で抱えるかベルトに固定する
雨の日傘や雨具で覆われるレインコートの上から見える位置に
混雑した車内人の間に埋もれるかばんを前に持ち替え上向きにする

常に見える状態にしたくない場合は、普段はかばんに入れ、必要なときだけ取り出す使い方でも構いません。

付ける位置は一度決めたら固定、と考えなくて大丈夫です。季節や服装で見え方は変わりますから、鏡で確認する習慣をつけていただくとよいと思います。

相談支援専門員

破損・紛失したときの再発行と、不要になったときの返却

ストラップが切れたり色があせたりした場合は、受け取った窓口で事情を伝えれば再度配布を受けられるのが一般的です。手続きは自治体により異なり、経緯の説明のみで済むこともあれば申請書の記入を求められることもあります。破損を防ぐには、付け根に補強リングやカラビナを挟んで摩耗を減らす方法や、記入面に透明テープを貼る方法が有効です。

必要がなくなったときは窓口へ返却すると、次に必要とする人へ渡る可能性があります。受付の可否は事前に確認してください。返却前には、裏面に記入した個人情報を確実に処分しておきましょう。

ヘルプマーク裏面シールの書き方と記載例

ヘルプマークには説明書と記入用シールが同封されています。必要な情報を書いて片面に貼っておくと、「配慮が必要らしい」という情報が、具体的な行動につながります。

書いておきたい基本項目(症状・必要な配慮・緊急連絡先)

面積が限られるため、優先順位をつけて選ぶことが大切です。基本項目は次の4つです。

項目内容の例役立つ場面
基本情報氏名、住所、電話番号倒れたとき、迷子のときの身元確認
緊急連絡先家族、かかりつけ医療機関話せない状態で救急対応が必要なとき
医療情報通院状況、薬の保管場所、アレルギー救急隊員が処置を判断するとき
してほしい配慮手伝ってほしいこと、避けてほしい対応外出時、窓口や店舗でのやりとり

すべて埋める必要はありません。発作の心配がなければ配慮の内容を厚く、意識を失う可能性があれば連絡先と薬の情報を優先します。転居や通院先の変更があれば書き直してください。

障害・病気別の記載例

3つの切り口で書き方の例を挙げます。

障害に関する配慮

  • 「身体に触れられることが苦手です。さわらずに、ゆっくりはっきりと指示してください」
  • 「言葉での説明が伝わりにくいときは、絵や写真を使っていただけると助かります」
  • 「耳が不自由です。筆談でお願いします」

病気・疾患に関する配慮

  • 「心臓疾患があります。発作時はかばんの中の薬を飲ませてください」
  • 「人工透析をしています(○○病院/月・水・金曜の週3回)。緊急時は病院へご連絡ください」
  • 「てんかん発作が起きることがあります。発作は数分でおさまります」

日常的なお願い

  • 「長く立っているのがつらいため、席をゆずっていただけると助かります」
  • 「パニックになったときは、静かに見守ってください」
  • 「かばんの中にヘルプカードがあります。詳しくはそちらをご覧ください」

個人情報を守りながら伝わる書き方のポイント

大切なのは、見た瞬間に判断できることです。大きく読みやすい字で、一文を短く区切って書きましょう。一方、紛失時には記載内容が第三者の目に触れます。どこまで書くかは次の考え方で判断できます。

  1. 意識を失う可能性がある人は、氏名と緊急連絡先を書く
  2. 意思疎通が可能な人は、してほしい配慮だけを書き個人情報は省く
  3. 詳細を持ち歩きたい場合は、住所や病歴はヘルプカードへ記載する

文字を書くことが難しい場合は、家族や支援者に代筆してもらっても構いません。

「何が困るか」より「どうしてほしいか」が書かれているほうが動きやすいと感じます。診断名だけでは、周囲はどう対応してよいか分からないのです。

相談支援専門員

ヘルプマークを身に着けた人を見かけたときの配慮

「見かけたけれど何をすればいいか分からなかった」という経験を持つ人は少なくありません。場面ごとに、どう振る舞えばよいかを整理します。

電車・バスなど公共交通機関での対応

もっとも分かりやすい行動が席を譲ることです。外見では健康そうに見えても、疲れやすかったり、つり革につかまり続けるなど同じ姿勢を保つことが困難だったりする人がいます。声かけは「よかったらどうぞ」と席を示す程度で十分で、断られたらそのまま引き下がってください。

もうひとつ大切なのが、優先席に座っている人を不審な目で見ないことです。外見からは分からないため、優先席に座っていると不審な目を向けられ、ストレスを受けることがあります。座っていることに理由があると考えるだけでも、当事者の負担は軽くなります。なお、譲る側が体調不良のときに無理をする必要はありません。

駅・商業施設・職場での声のかけ方

駅や商業施設では、交通機関の事故など突発的な出来事に臨機応変に対応することが困難な人や、立ち上がる、歩く、階段の昇降といった動作が困難な人がいます。困っている様子が見えたら、次の流れで声をかけてみてください。

  1. 正面から「何かお手伝いできることはありますか」と尋ねる
  2. 答えるまでに時間がかかる人もいるため、急かさず待つ
  3. 必要な支援を聞き、できる範囲で対応する
  4. 「大丈夫です」と言われたら、その意思を尊重する

避けたいのは過度な干渉です。腕を引く、荷物を勝手に持つといった行動はかえって混乱を招きます。職場で身につけている人がいる場合も、体調の変化に気づいたときに一声かける程度でよく、マーク自体を話題にして詮索する必要はありません。

声をかけて断られると「余計なことをしたかな」と感じる方がいますが、気にかけている人がいると伝わるだけで、当事者の安心感は大きく違います。

障害者支援施設 職員

災害時・緊急時の支援

災害時は、視覚障害や聴覚障害のある人など状況把握が難しい人、肢体不自由のある人など自力での迅速な避難が困難な人がいます。できる支援としては次のようなものがあります。

  • 今どこで何が起きているか、どこへ向かうのかを短い言葉で伝える
  • 放送が聞こえていない可能性を考え、掲示や筆談でも伝える
  • 移動に付き添い、段差や暗がりは事前に声で知らせる
  • 避難所で必要な配慮が運営側に伝わっているか気にかける

倒れている人を見かけた場合は、まず救急要請を行ったうえで裏面を確認してください。前述のとおり服薬や連絡先が記載されていることがあり、救急隊員への引き継ぎに役立ちます。

ヘルプマークを持つメリットと知っておきたい注意点

ヘルプマークは外出時の負担を確実に軽くしてくれますが、認知が十分でないことから生じるすれ違いもあります。

周囲の理解が得やすくなる・緊急時に情報が伝わるなどのメリット

最大の効果は、説明しなくても状況が伝わることです。困りごとのたびに疾患や特性を口頭で説明するのは負担が大きく、その手間を省いたうえで援助を受けやすくなります。

見落とされがちなのが、後ろめたさが減るという効果です。見た目には健康そうな人が優先席に座るとき、周囲の目が気になることがありますが、マークがあれば安心して座れるようになったという声は少なくありません。窓口や店舗でも、シールを示すことでゆっくり説明してもらう、筆談で対応してもらうといった配慮を受けられます。職場では体調の変化に気づいてもらいやすくなる利点もあります。

心ない言葉や誤解などのトラブルと、その対処法

マーク自体に不利益はほとんどありませんが、周囲の認知が追いつかないことによる困りごとはあります。

起こりうること対処の考え方
意味を知られず配慮を受けられない期待しすぎず、自分から声をかける手段も併せ持つ
「本当に必要なのか」と疑う視線説明する義務はない。必要なら裏面を示すだけでよい
疾患を知られたくない普段はかばんに入れ、必要な場面だけ示す

知っておきたいのは、ヘルプマークは権利を主張するための道具ではないということです。付けていれば必ず席を譲ってもらえるわけではなく、譲らなかった人を責めるためのものでもありません。「お願いをしやすくする手段」と捉えておくと、期待とのずれによる落胆を避けられます。

「使ってみたけれど反応がなかった」と落ち込む方もいます。ただ、倒れたときに情報が伝わる、それだけでも持つ意味は十分にあります。

障害者支援施設 職員

実際に役立った活用事例

当事者から寄せられている例を紹介します。

  • 精神疾患のある人…運休で混雑した駅で思考が混乱し立ち往生。気づいた人が声をかけ、座れる場所へ案内してくれた
  • 発達障害のある人…読み書きに困難があり書類記入が難しいが、シールを窓口で示すと手順を助けてもらえた
  • 難病のある人…優先席に座る気まずさが減り、異変時に疾患を知ってもらえる点も支えになっている

いずれも、周囲の人が特別な知識を持っていたわけではなく、マークと記載内容を見ただけで行動につながっています。

ただし認知度には課題が残ります。2024年に東京都が実施した調査時点で「意味も含めて知っていた」は66.5%で、3割強は意味を知らない、見たことがある程度という結果でした。学校教育や企業研修で扱われる機会は増えています。

ヘルプマークに関するよくある質問

問い合わせの多い疑問をまとめました。運用の細部は自治体により異なるため、最終的には窓口で確認してください。

ヘルプマークを持っていても車の運転はできる?

持っていることを理由に運転が制限されることはなく、免許の取得や更新に影響することもありません。ヘルプマークは資格や許可ではなく、配慮を求める意思表示のための道具だからです。

ただし運転の可否はマークではなく疾患や障害の状態によって判断されます。てんかんや重度の睡眠障害など、症状によって制限がかかる場合は主治医の指示に従ってください。服薬で眠気が生じることもあるため、迷うときは自己判断せず相談しましょう。

住んでいる自治体で配布していない場合はどうすればいい?

市区町村では扱っておらず、県庁や保健所のみというケースがあります。まずは都道府県の窓口を確認し、それでも近くに受け取れる場所がなければ次の順で検討します。

  1. 都道府県の担当課へ電話し、最寄りの配布場所と郵送可否を確認する
  2. 郵送対応があれば申請書と返信用封筒を送る
  3. 家族や支援者に代理受け取りを相談する
  4. 急ぎの場合は公式画像を印刷して当面をしのぐ

自治体によっては独自デザインの支援マークやカードを配布していることもあるため、窓口で併せて聞いてみてください。

複数枚もらうことや、家族が代わりに申請することはできる?

複数個の可否は自治体の判断となるため、理由を具体的に伝えて相談してください。付け替えのしやすい金具を使い、1つを使い回すほうが現実的な場合もあります。代理申請では、本人との関係、来庁が難しい理由、本人の基本情報を聞かれることがあります。

本人の同意なく家族が用意することは避けたいところです。身につけるかを決めるのは本人であり、抵抗を感じているなら無理に勧めず、必要な場面だけ取り出す使い方もあると伝えたうえで判断を委ねましょう。

ヘルプマークを付けると割引や優先サービスは受けられる?

運賃の割引や施設利用料の減免といった優遇はありません。あくまで周囲の思いやりある行動を促すためのもので、受給資格を証明する書類とは性質が異なります。

ヘルプマーク障害者手帳
目的配慮の必要を周囲に伝える障害の程度を公的に証明する
入手の条件本人の申し出のみ診断書などに基づく審査
割引・手当対象外制度ごとの優遇を受けられる

手帳の取得を検討したい場合は、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所で相談できます。

「マークを持てば給付が受けられるのですか」というご質問はよくあります。役割が違うだけで、どちらも必要なものです。

相談支援専門員

まとめ

ヘルプマークは、外見からは分かりにくい事情を抱えた人が、周囲へ配慮の必要性を伝えるマークです。病名や障害の種類による線引きはなく、手帳も費用も不要です。

  • 入手…福祉担当窓口や保健・福祉施設などで無料配布。郵送や代理受け取りも可能
  • 付け方…相手の目線に近い高さで、見える向きに取り付ける
  • 裏面シール…「何をどうしてほしいか」を短く具体的に書く
  • 見かけたとき…席を譲る、正面から一声かける。断られたら引き下がる

迷ったときは、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口へ問い合わせてみてください。