生活介護(障がい者福祉サービス)とは?利用条件となる「障害支援区分」の基準と申請の流れ
著者: フラカラ編集部
監修: 中村 啓吾
このコラムのまとめ
生活介護とは、障がいのある方が日中に介護や活動支援を受けられる福祉サービスです。本記事では、利用条件となる障害支援区分の基準(50歳未満は区分3以上、50歳以上は区分2以上)や認定の流れ、他サービスとの違い、事業所の選び方、費用と負担軽減制度まで、利用を検討する方が知っておきたい情報をわかりやすく解説します。
生活介護とは?障がい者総合支援法に基づく日中活動サービス
生活介護とは、身体や精神に障がいを持つ方が、日常生活に必要なケアを受けられる「障がい福祉サービス」です。常時の介護が必要な方を主な対象としたサービスで、障害者総合支援法に基づく「介護給付」の一つに位置づけられています。日中活動の場として、身体介護から創作活動まで幅広い支援を提供しています。ここでは、生活介護の目的や対象者、具体的なサービス内容について見ていきましょう。
生活介護の目的と位置づけ
生活介護は自立支援を目的としており、障がいを持つ方が日中を過ごす場所となるのが特徴です。サービス提供の場所は「障がい者支援施設」や「生活介護事業所」などで、知的や精神、身体といったさまざまな障がいを持つ方に対して提供されます。
障害者総合支援法とは、障害がある方の支援について定めた法律です。「障害のあるなしにかかわらず、皆が地域社会で分け隔てなく生活すること」を目的としており、生活介護はこの法律の中で介護給付の一つとして位置づけられています。3年ごとに改正が行われ、利用者のニーズや社会の変化に合わせた制度の見直しが継続的に進められています。
障がい福祉の専門家
生活介護の対象者(年齢・障害種別・障害支援区分)
生活介護の対象者は、常時介護や支援が必要な方や日中を過ごす場が必要な方です。具体的な利用条件は「障害支援区分」と「年齢」によって定められています。
| 年齢区分 | 通所利用の場合 | 障害者支援施設に入所する場合 |
|---|---|---|
| 50歳未満 | 障害支援区分3以上 | 障害支援区分4以上 |
| 50歳以上 | 障害支援区分2以上 | 障害支援区分3以上 |
障害支援区分とは、障がいのある方が日常生活や社会生活でどの程度の支援を必要とするかを示す指標です。1~6の6段階の区分と非該当に分けられ、数字が大きいほど重度となります。対象となる障害種別は身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)、そして指定難病と幅広くなっています。50歳以上の場合は要件が緩和され、区分2以上でも利用可能です。また、区分が基準を下回っていても、市町村が必要と判断すれば利用が認められることがあります。
なお、65歳以上の方は介護保険サービスの対象者となるため、65歳を超えた方は介護保険サービスに移行するのが一般的です。ただし、生活介護を受けている方で介護サービスも必要な65歳以上の方は、両方のサービスを受けているケースもあります。
生活介護で受けられるサービス内容
生活介護では、利用者一人ひとりの状態や目的に合わせた、さまざまな支援が提供されています。身体面のサポートだけでなく、日常生活の支援や社会とのつながりを大切にしたサービスが特徴です。主なサービス内容を紹介します。
食事・入浴・排泄などの身体介護
食事や排泄、移乗といった身体介護が行われます。ただし単に介護を行うのではなく、できることは自分でやってもらうサポートを前提とした介護が基本です。利用者ごとに必要な介助の程度が異なるため、丁寧な観察と安心感を与える接し方が求められます。身体介護は、利用者が日常生活を安全に営むための基盤を支える中心的な支援です。
リハビリ・機能訓練による身体能力の維持・向上
施設によってはリハビリ専門のスタッフがつき、理学療法士や作業療法士と連携しながら自立に向けた訓練が行われます。着替えや片付け、金銭管理の練習など、生活の中で必要なスキルを一緒に学ぶこともあります。支援の目的は「できないことを代わりにやる」のではなく「できることを増やす」ことにあります。
生産活動・創作活動への参加
粘土や絵画、音楽といった創作活動や、畑活動・軽作業といった生産活動が行われています。雇用契約に基づくサービスではないため原則として給料は発生しませんが、生産活動の収益から工賃が支払われることはあります。創作活動では作品が完成する喜び、販売活動では社会とつながる実感が得られるなど、利用者にとって大きな励みとなるでしょう。
生活や就労に関する相談・助言
生活や就労に関する相談やアドバイスもサービスの一つです。ご家族からの相談にも対応しており、日常生活の困りごとや将来への不安について一緒に考え、必要に応じて助言を行います。家庭での生活リズムや関わり方についての具体的なアドバイスも提供されています。
社会参加・レクリエーション活動
外出支援や旅行支援も提供されており、利用者の社会参加をサポートすることも重要な役割です。散歩やプール活動を行っている事業所もあり、活動内容は施設によってさまざまです。レクリエーション活動は、利用者の生活の質を高めるうえでも大切な役割を果たしています。
生活介護の1日の流れ(利用者の過ごし方)
利用者は自宅やグループホームなどで生活し、昼間だけ生活介護施設に通う形で利用します。送迎サービスを提供する施設も多く、障がいの重い方でも通いやすいよう配慮されています。一般的な1日の流れは以下のとおりです。
| 時間帯 | 活動内容 |
|---|---|
| 9:00〜9:30 | 送迎車で到着・健康チェック(体温・血圧測定など) |
| 9:30〜10:00 | 朝の会・1日のスケジュール確認 |
| 10:00〜12:00 | 午前の活動(創作活動・リハビリ・軽作業など) |
| 12:00〜13:00 | 昼食・休憩・口腔ケア |
| 13:00〜15:00 | 午後の活動(生産活動・レクリエーション・散歩など) |
| 15:00〜15:30 | おやつ・帰りの会 |
| 15:30〜16:00 | 送迎車で帰宅 |
上記はあくまで一例で、施設によって活動内容やスケジュールは大きく異なります。医療的ケアやリハビリを行っている事業所もありますので、詳しい内容は各事業所に確認しましょう。なお、生活介護では個々に合わせたサービス計画が立案されており、利用者の「できること」や「苦手なこと」に寄り添った個別支援が行われているのが特徴です。
生活介護の利用条件となる「障害支援区分」とは
生活介護を利用するためには、「障害支援区分」の認定を受けることが必要です。この区分によって、利用者がどの程度の支援を必要としているかが明確になり、受けられるサービスの内容も変わってきます。ここでは、障害支援区分の仕組みと、生活介護の利用に必要な基準、認定調査で確認される項目について解説します。
障害支援区分の概要と6段階の区分
障害支援区分とは「障害のある方が必要とする支援の度合いを総合的に示すもの」です。1〜6の6段階と非該当に分けられ、数字が大きくなるほど支援の度合いが高くなります。もともとは「障害程度区分」と呼ばれていましたが、2014年4月に「障害支援区分」へ改められました。
受けられる支援の種類によっては、非該当でも利用できるサービスがある一方、生活介護のように一定以上の区分が必要なサービスもあります。
生活介護の利用に必要な障害支援区分の基準
生活介護の利用条件は「障害支援区分」と「年齢」によって細かく定められています。
18歳以上の場合:障害支援区分3以上
18歳以上50歳未満の方が通所で生活介護を利用する場合、障害支援区分3以上が基本的な条件です。日常生活のさまざまな場面で一定の介助を要する方が該当します。
50歳以上の場合:障害支援区分2以上
50歳以上の場合は要件が緩和され、区分2以上で利用できます。加齢による機能低下を考慮した措置です。
| 年齢区分 | 通所利用の場合 | 施設入所の場合 |
|---|---|---|
| 18歳以上50歳未満 | 障害支援区分3以上 | 障害支援区分4以上 |
| 50歳以上 | 障害支援区分2以上 | 障害支援区分3以上 |
施設入所者が利用する場合の基準
障害者支援施設に入所しながら日中に生活介護を利用する場合は、通所よりも高い区分が求められます。ただし、区分が基準を下回っていても、市町村が必要と判断すれば利用が認められることがあります。
相談支援専門員
障害支援区分の認定調査で確認される項目
障害支援区分の認定を受けるには、市町村の担当窓口へ申請し、認定調査員による訪問調査を受ける必要があります。調査では全80項目にわたって心身の状態や日常生活の様子が評価されます。
| 調査区分 | 項目数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 移動や動作等 | 12項目 | 寝返り、起き上がり、歩行、衣類の着脱 など |
| 身の回りの世話や日常生活等 | 16項目 | 食事、入浴、排泄、薬の管理、金銭の管理 など |
| 意思疎通等 | 6項目 | 視力、聴力、コミュニケーション、感覚過敏 など |
| 行動障害 | 34項目 | 感情の不安定、こだわり、自傷行為、徘徊 など |
| 特別な医療 | 12項目 | 点滴の管理、透析、経管栄養、カテーテル など |
判定は訪問調査の結果と医師の意見書から総合的に決まるため、「この症状ならこの区分」と自己判断できるものではありません。認定結果に不安がある場合は、事前に相談支援専門員に相談しながら準備を進めるとよいでしょう。
障害支援区分の認定から生活介護の利用開始までの流れ
生活介護を利用するためには、障害支援区分の認定申請からサービス開始まで、いくつかのステップを順に進める必要があります。申請から認定までには約2か月程度かかるため、早めに手続きを始めることが大切です。ここでは、8つのステップに分けて流れを解説します。
ステップ1:市区町村の窓口への相談・申請
まずはお住まいの市区町村の障害福祉課に相談し、生活介護の利用条件や必要書類を確認します。申請時には、申請書・障害者手帳の写し・医師の意見書・本人確認書類などが必要です。自治体によって書類が異なる場合がありますので、事前に窓口で確認しましょう。
ステップ2:認定調査員による訪問調査
申請が受理されると、認定調査員が自宅や施設を訪問し、全80項目にわたって心身の状態や日常生活の様子を確認します。ご家族の同席も可能ですので、日頃の困りごとを具体的に伝えられるようメモにまとめておくとよいでしょう。
ステップ3:一次判定(コンピュータ判定)
訪問調査の結果と医師の意見書の一部をもとに、全国共通の基準でコンピューターによる判定が行われます。この段階では機械的な判定であり、個別の事情は次の二次判定で考慮されます。
ステップ4:二次判定(審査会による総合判定)
医療・福祉の専門知識を持つ委員で構成される審査会が、一次判定の結果・認定調査員の特記事項・主治医の意見書をもとに、総合的に障害支援区分を判定します。
ステップ5:障害支援区分の認定・通知
二次判定の結果に基づき、市区町村が正式に障害支援区分を認定し、申請者に通知します。認定される区分は、区分1〜6または非該当のいずれかです。有効期間は原則3年で、期間満了後は再度認定調査を受ける必要があります。
ステップ6:サービス等利用計画の作成
区分認定後、「サービス等利用計画」を作成します。相談支援事業所の相談支援専門員に依頼する方法と、本人やご家族がセルフプランで作成する方法があります。初めて利用する方は、専門的な視点から提案を受けられる相談支援事業所への依頼がおすすめです。
ステップ7:支給決定・受給者証の交付
利用計画案をもとに市区町村がサービスの支給量を決定し、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。受給者証には、利用できるサービスの種類・支給量・負担上限月額などが記載されており、事業所の利用時に必要です。
ステップ8:生活介護事業所との契約・利用開始
受給者証を受け取ったら、希望する事業所に連絡を取り、見学・体験利用を経て利用契約を結びます。事業所のサービス管理責任者が個別支援計画を作成し、利用日程を調整したうえでサービスが開始されます。利用開始後も定期的にモニタリングが行われ、必要に応じてサービス内容が見直されます。
相談支援専門員
生活介護と似ている他サービスとの違い
障がい者福祉サービスや介護サービスには、生活介護と似た名前や内容を持つものがいくつかあります。ここでは、混同されやすい5つのサービスとの違いを整理して解説します。
就労継続支援(A型・B型)との違い
就労継続支援は、働く意欲のある障がい者が利用できるサービスです。生活介護が自立支援や生活援助を目的とするのに対し、就労継続支援は就労機会の提供と就労能力の向上が目的です。就労継続支援では働いた対価として給料や工賃が支払われますが、生活介護は雇用契約を結ばないため原則として給料は発生しません。なお、就労継続支援B型は生活介護と併用が可能です。
デイサービス(通所介護)との違い
デイサービスと生活介護の大きな違いは対象者です。生活介護は障害者総合支援法に基づき障害支援区分の認定を受けた方が対象であるのに対し、デイサービスは介護保険法に基づき65歳以上の要介護認定を受けた方が対象です。どちらも自立支援が目的ですが、根拠法と対象者が異なるためサービス内容にも違いがあります。
居宅介護(ホームヘルプ)との違い
居宅介護と生活介護の異なる点は、サービスが提供される場所です。居宅介護は利用者の自宅で家事援助や身体介助を行う訪問型サービスであるのに対し、生活介護は事業所への通所が基本です。自宅での支援が必要な場合は居宅介護を、日中に仲間と活動しながら支援を受けたい場合は生活介護を選ぶのが一般的です。両方を併用することもできます。
短期入所(ショートステイ)との違い
短期入所は宿泊を伴うサービスで、家族のレスパイト(休息)や緊急時の対応として最長30日間まで利用できます。一方、生活介護は日帰りの通所利用が基本で、夜間対応は行っていません。家族の体調不良などで一時的に自宅での介護が難しい場合は短期入所を、普段の日中活動としては生活介護を利用するといった使い分けが可能です。
グループホームとの違い
グループホームは地域社会で自立した共同生活を送るための住まいで、早朝・夜間・休日を中心にサービスが提供されます。一方、生活介護は日中の活動を支援する通所型サービスです。両者は併用が可能で、日中は生活介護で活動し、夜間はグループホームで生活支援を受けるという利用が広く行われています。
相談支援専門員
自分に合った生活介護事業所を選ぶポイント
受給者証が交付されたら、利用する生活介護事業所を選ぶ段階です。事業所の形態は、生活介護単独型から多機能型、重度心身障害者向けまでさまざまで、活動内容や雰囲気も大きく異なります。ここでは、自分に合った事業所を見つけるための4つのポイントを紹介します。
事業所の活動プログラムや支援方針を確認する
事業所選びでまず確認したいのが、どのような活動プログラムが用意されているかです。創作活動(絵画・音楽・陶芸など)や生産活動(軽作業・農作業など)の内容、リハビリ・機能訓練の有無、医療的ケアへの対応範囲は事業所ごとに異なります。個別支援を重視しているか集団活動が中心かといった支援方針もあわせて確認し、利用者本人が「やってみたい」と思える活動があるかをチェックしましょう。
見学・体験利用で雰囲気やスタッフの対応を見る
情報を調べたら、必ず見学や体験利用を行いましょう。利用者が安心して過ごしている様子が見られるか、スタッフの声かけは丁寧か、施設の清潔感やバリアフリー環境は整っているかなど、実際に訪問しなければわからないポイントは多くあります。体験利用が可能な場合は1日過ごしてみることで、利用者本人が「ここなら通いたい」と感じるかを確認できます。可能であれば複数の事業所を比較検討するとよいでしょう。
送迎サービスや通所のしやすさを確認する
生活介護は日中に事業所へ通って利用するため、通所のしやすさは重要なポイントです。送迎サービスの有無と対応エリア、車いすのまま乗車可能かどうか、公共交通機関でのアクセスなどを事前に確認しましょう。毎日通う場所だからこそ、利用者本人にとって無理なく通い続けられる事業所を選ぶことが大切です。
相談支援専門員に事業所選びのサポートを依頼する
事業所選びに迷った場合は、相談支援専門員への相談がおすすめです。利用者の障がい特性やニーズを踏まえた事業所の提案、地域の事業所の特徴や空き状況の情報提供、見学の調整代行など、さまざまなサポートを受けられます。利用開始後に「合わなかった」と感じた場合も、事業所との調整や変更について相談できるため心強い存在です。
相談支援専門員
生活介護の利用にかかる費用と負担軽減制度
生活介護の利用を検討するにあたって、「どのくらい費用がかかるのか」は多くの方が気になるポイントでしょう。障がい福祉サービスである生活介護には、利用者の経済的な負担を軽減する仕組みが整えられています。ここでは、利用者負担の仕組みと負担上限額、実費について解説します。
利用者負担額の仕組み(原則1割負担)
生活介護をはじめとする障がい福祉サービスの利用者負担は、原則としてサービス費用の1割です。残りの9割は自立支援給付として公費でまかなわれます。ただし、1割負担をそのまま毎回支払うわけではなく、世帯の所得状況に応じた月額負担上限額が設けられています。1か月の負担額が上限に達した場合、それ以上の負担は発生しません。
所得区分ごとの月額負担上限額
月額負担上限額は、世帯の所得に応じて4つの区分に分けられています。
| 所得区分 | 対象となる世帯 | 月額負担上限額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外の世帯 | 37,200円 |
生活保護受給世帯および市町村民税非課税世帯の方は利用者負担が0円です。なお、障がい者本人が18歳以上の場合、「世帯」の範囲は本人と配偶者のみで判定されるため、実家暮らしでも親の収入は含まれません。
出典:
食費・光熱費などの実費負担
月額負担上限額の対象はサービス利用料のみです。それ以外に、以下のような実費がかかる場合があります。
| 費用項目 | 内容・目安 |
|---|---|
| 食費(昼食代) | 1食あたり300〜600円程度が一般的 |
| 光熱水費 | 事業所により異なる |
| 創作活動の材料費 | 活動内容によって変動 |
| 行事・外出費 | 交通費や入場料など |
実費は事業所によって異なりますので、契約前に「月々の実費はどのくらいか」を確認しておきましょう。食費については、低所得世帯を対象に減免措置を設けている自治体もあります。費用面で不安がある場合は、窓口の担当者や相談支援専門員に遠慮なく相談してみてください。
障害支援区分の認定に関するよくある疑問
障害支援区分の認定手続きを進めるなかで、多くの方が疑問に感じやすいポイントがあります。ここでは、特によくある3つの疑問についてわかりやすくお答えします。
認定結果に納得できない場合の不服申立て
認定結果に納得できない場合は、「不服申立て(審査請求)」の制度を利用できます。まずは市区町村の障害福祉課に問い合わせ、判定の根拠や理由の説明を求めましょう。それでも納得できない場合は、通知を受け取った翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求を行うことができます。
また、正式な不服申立ての前に「区分変更申請」という方法もあります。訪問調査の際に日頃の状況を十分に伝えきれなかった場合などに、改めて認定調査をやり直してもらう手続きです。どちらの方法が適切か、まずは窓口で相談してみましょう。
障害支援区分の有効期間と更新手続き
障害支援区分認定の有効期間は原則3年です。期限が近づくと自治体から案内が届くのが一般的ですが、届かない場合は早めに問い合わせましょう。更新手続きは初回と同様に訪問調査・一次判定・二次判定を経て再認定され、申請から認定まで約1〜2か月かかります。
有効期間が過ぎるとサービスの利用に支障が出る可能性があるため、案内が届いたら速やかに手続きを進めましょう。なお、有効期間の途中であっても心身の状態が大きく変化した場合は「区分変更申請」により再認定を受けることが可能です。
障害者手帳の等級と障害支援区分の関係
「障害者手帳の等級」と「障害支援区分」はそれぞれ別の制度であり、等級と区分は必ずしも連動しません。手帳の等級は障がいの医学的な状態をもとに判定されるのに対し、障害支援区分は日常生活で必要な支援の度合いを総合的に評価するものです。
たとえば、手帳の等級が比較的軽度でも、行動障害や医療的ケアの必要性が高い場合は障害支援区分が高く認定されるケースがあります。生活介護の利用要件として直接求められるのは障害支援区分の認定であり、手帳の等級だけで判断する必要はありません。「手帳の等級が低いから対象外だろう」と思い込まず、まずは認定申請を行ってみることが大切です。
まとめ
生活介護は、常時支援を必要とする障がいのある方が安心して日中を過ごすための福祉サービスです。利用するには障害支援区分の認定が必要で、50歳未満は区分3以上、50歳以上は区分2以上が基本的な条件となります。
認定申請から利用開始までには複数のステップがありますが、市区町村の窓口や相談支援専門員がサポートしてくれます。費用面でも所得に応じた負担軽減制度が整っており、経済的な理由で利用を諦める必要はありません。
「自分や家族が利用できるかわからない」という方は、まずお住まいの市区町村の障害福祉課に気軽に相談してみてください。
サービス管理責任者・介護福祉士・行動援護従業者養成研修
監修者略歴
日本福祉大学 社会福祉学部社会福祉学科卒業
大学卒業後、約12年間にわたり児童・障がい・就労・高齢の福祉現場にて従事。利用者ご本人はもちろん、行政機関・医療機関・他事業所と連携する中で福祉現場の「いま」を見続けてきた。
「丁寧な支援をしていても外部に伝えることができない」「新たな利用者を探すのが難しい」という現場の課題を解決するため、
就労支援特化のマッチングプラットフォーム「フラカラ」の運営に携わっている。
フラカラ編集部では、障がいのある方の就労や働き方について、できるだけ分かりやすく、実生活に役立つ情報をお届けすることを大切にしています。
制度や仕組みだけでなく、利用者の立場や現場で感じやすい悩みに目を向け、
一つひとつのテーマを丁寧に整理・編集しています。
難しい言葉や専門的な表現に偏らず、はじめて調べる方にも伝わる内容になるよう心がけながら、日々コラムの制作を行っています。


